“いずく”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:イズク
語句割合
何処47.6%
17.9%
11.9%
4.8%
3.6%
何国3.6%
那処2.4%
何所2.4%
1.2%
何地1.2%
何方1.2%
1.2%
1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
男性絶対尊重の女たちにまで、ひじ鉄砲をもらっては、それこそもはや、何処いずくの国へいっても顔向けの出来ない男性の汚辱を残す。
モルガンお雪 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
いずくんぞ知らんこの種の句は月並つきなみ家者流において陳腐を極めたるものなるを。恥をかざらんと欲する者は月並調も少しは見るべし。
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
当時私はさる批評家から此の着附けを褒められたものだが、いずくんぞ知らん、これは偕楽園夫人の入れ智慧であつた
青春物語:02 青春物語 (新字旧仮名) / 谷崎潤一郎(著)
しかれどもさらに一層を突進して論ずれば、その非常の事たりしがためのみ。彼は非常を愛して、凡俗の行をなすを厭う。もし衆人みな独木橋まるきばしを渡らば、彼いずくんぞ喜んで渡らん。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
「風は金波を揺がして遠く声あり、船頭、いずくンぞ耐えん今夜のじょうか、オイ、戸外そとへ行くと、怖いことがあるぜえ、承知かア」
湖畔 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
この上はただ尼とやならむ。巡礼とやならむ。何国いずくの御方か存じ参らせねど、此の上の御慈悲おんなさけに、そのすべ教へて賜はれかしと、砂にひれ伏して声を忍ぶていなり。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
筒袖の単衣ひとえ着て藁草履わらぞうり穿きたる農民のおんなとおぼしきが、鎌を手にせしまま那処いずくよりか知らず我らが前に現れ出でければ、そぞろに梁山泊りょうざんぱくの朱貴が酒亭も思い合わされて打笑まれぬ。
知々夫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
ういう場合ばあいであるから何所いずくへまいるにも、そちをれる。』みことはそうおおせられたそうで、またひめほうでも、いとしき御方おんかた苦労くろう艱難かんなんともにするのがおんなつとめと、かたかた覚悟かくごされたのでした。
徳川氏の天下を治めたる文教の力あずかりて大ならずとせず。いずくんぞ知らんや、この文教なるものは封建制度を寸断する危険なる分子をその中に含まんとは。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
象山曰く、「語を寄す、吾が門同志の士、栄辱にりて初心にそむなかれ」と、松陰答えて曰く、「すでに死生をりて余事に附す、いずくんぞ栄辱に因りて初心に負かんや」
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
智馬死すると聞いてたちまちそむき去ったとはうけられがたいようだが、前達せんだって『太陽』へ出した「戦争に使われた動物」てふという拙文中にも説いた通り、昔は何地いずくの人も迷信重畳しおり
二人をにらみ据えて言葉も荒々しく、政宗謀叛とは初めより覚悟してこそ若松を出でたれ、何方いずくにもあれ支えたらば踏潰ふみつぶそうまでじゃ、明日あすは早天に打立とうず、とののしった。
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
いずくんぞ命薄く時そむ
愛卿伝 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
この孟子の書の開巻第一には梁恵王りょうけいおうとの問答が収録されているが、その中に「天下いずくにか定まらん」という恵王の問がある。孟子はそれに答えて「いつに定まらん」という。
永久平和の先決問題 (新字新仮名) / 大隈重信(著)