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焉
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いずく
ふりがな文庫
“
焉
(
いずく
)” の例文
夕月淡く柳がくれの招き
行燈
(
あんど
)
に飛ぶ
禽
(
とり
)
落とす三遊亭圓朝が一枚看板、八丁荒しの大御所とて、
焉
(
いずく
)
んぞ
沙弥
(
しゃみ
)
より長老たり得べけむや。
小説 円朝
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
焉
(
いずく
)
んぞ知らんこの種の句は
月並
(
つきなみ
)
家者流において陳腐を極めたるものなるを。恥を
掻
(
か
)
かざらんと欲する者は月並調も少しは見るべし。
俳諧大要
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
昔の人は人に存するもの
眸子
(
ぼうし
)
より良きはなしと云ったそうだが、なるほど人
焉
(
いずく
)
んぞ
廋
(
かく
)
さんや、人間のうちで眼ほど活きている道具はない。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
人は伏見、鳥羽の砲火によりて、革命の業行われたりという。
焉
(
いずく
)
んぞ知らん、その十五年前において、幕府は既に精神的自殺をなし遂げたるを。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
子
(
し
)
、
子賤
(
しせん
)
を
謂
(
い
)
う。君子なるかな、かくのごときの人。魯に君子者無くんば、
斯
(
こ
)
れ
焉
(
いずく
)
んぞ
斯
(
これ
)
を取らんと。——公冶長篇——
論語物語
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
▼ もっと見る
やよ聴水。
縦令
(
たと
)
ひわれ老いたりとて、
焉
(
いずく
)
ンぞこれしきの雪を恐れん。かく洞にのみ
垂籠
(
たれこ
)
めしも、決して寒気を
厭
(
いと
)
ふにあらず、獲物あるまじと思へばなり。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
けれども
焉
(
いずく
)
んぞ知らん、外より共に帰って家庭内の人となるや、往々にして、
忽
(
たちま
)
ち夫婦
喧嘩
(
げんか
)
を演じ、声荒々しく
膂力
(
りょりょく
)
逞しき妻にその手をねじ伏せられて
現代の婦人に告ぐ
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
季路、
鬼神
(
きしん
)
に
事
(
つか
)
えんことを問う。子曰く、未だ人に事うる
能
(
あた
)
わず、
焉
(
いずく
)
んぞ
能
(
よ
)
く
鬼
(
き
)
に
事
(
つか
)
えん。曰く、敢えて死を問う。曰く、未だ生を知らず、焉んぞ死を知らん。
孔子
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
焉
(
いずく
)
んぞ知らん。この間にあって道庵先生は
臥薪嘗胆
(
がしんしょうたん
)
の思いをして、復讐の苦心をしていたのであります。
大菩薩峠:16 道庵と鯔八の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
彼の口より斯かる言辞が流れ出たのである、是れ「我れ未だ生を知らず
焉
(
いずく
)
んぞ死を知らん」と言う人の言ではない、
能
(
よ
)
く死と死後の事とを知り給いし神の子の言である
聖書の読方:来世を背景として読むべし
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
八合目より
一旦
(
いったん
)
七合に引返したりといえり、二人は山頂の光景を見て、
如何
(
いか
)
に感じけん、予に向いて、
焉
(
いずく
)
んぞこれ
千島
(
ちしま
)
の
比
(
たぐ
)
いならんや、
君
(
きみ
)
は如何にして越年を遂げんとするか
寒中滞岳記:(十月一日より十二月廿一日に至る八十二日間)
(新字新仮名)
/
野中至
(著)
いうを休めよ、三月の下り凧は江戸ッ児の末路を示すものだと、江戸ッ児本来の面目は執着を離れて常に凝滞せざるを誇りとするもの、
焉
(
いずく
)
んぞ死と滅亡とに兢々たるものであろうぞ。
残されたる江戸
(新字新仮名)
/
柴田流星
(著)
かくのごときは財産の権利を
享有
(
きょうゆう
)
しながら、その義務を負担しないというものである。
富
(
とみ
)
が
跋扈
(
ばっこ
)
するというと、いつも米国を例にとるが、
焉
(
いずく
)
んぞ知らん日本にもその例に
乏
(
とぼ
)
しからぬを。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
行也
(
こうや
)
焉
(
いずく
)
にぞ
肯
(
あえ
)
て
苟
(
いやしく
)
もせん。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「
燕雀
(
えんじゃく
)
焉
(
いずく
)
んぞ
大鵬
(
たいほう
)
の
志
(
こころざし
)
を知らんやですね」と寒月君が恐れ入ると、独仙君はそうさと云わぬばかりの顔付で話を進める。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
大凡
(
おおよそ
)
物はその好む所に
聚
(
あつま
)
る、彼の
艱難
(
かんなん
)
の如きも、また
焉
(
いずく
)
んぞ彼が自ら好んでこれを致したるに非ざる
莫
(
な
)
きを知らんや。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
或ひと
対
(
こた
)
えて曰く、
申棖
(
しんとう
)
ありと。子曰く、
棖
(
とう
)
や慾あり。
焉
(
いずく
)
んぞ剛なるを得んと。——公冶長篇——
論語物語
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
焉
(
いずく
)
んぞ
能
(
よ
)
く 一
経
(
けい
)
に
困
(
こん
)
せん。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
乃
(
すなわ
)
ち今日において
彼
(
か
)
の西野文太郎を出し、
来島恒喜
(
くるしまつねき
)
を出したるものまた
焉
(
いずく
)
んぞ彼が熱血の
余瀝
(
よれき
)
ならざるを知らんや。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
焉
漢検1級
部首:⽕
11画
“焉”を含む語句
終焉
不関焉
忽焉
慊焉
少焉
終焉記
吾不関焉
掲焉
溘焉
炳焉
烏亭焉馬
終焉地
焉馬
在焉
劉焉
御終焉
邈焉
日月相推而明生焉
漠焉
済々焉
...