トップ
>
何處
>
いづこ
ふりがな文庫
“
何處
(
いづこ
)” の例文
新字:
何処
おのづから
智慧
(
ちゑ
)
も
力
(
ちから
)
も
備
(
そな
)
はつて、
陽
(
ひ
)
の
面
(
おもて
)
に、
隱形
(
おんぎやう
)
陰體
(
いんたい
)
の
魔法
(
まはふ
)
を
使
(
つか
)
つて、
人目
(
ひとめ
)
にかくれ
忍
(
しの
)
びつゝ、
何處
(
いづこ
)
へか
通
(
とほ
)
つて
行
(
ゆ
)
くかとも
想
(
おも
)
はれた。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
有爲轉變
(
うゐてんぺん
)
の世の中に、只〻最後の
潔
(
いさぎよ
)
きこそ肝要なるに、天に
背
(
そむ
)
き人に離れ、いづれ
遁
(
のが
)
れぬ
終
(
をはり
)
をば、
何處
(
いづこ
)
まで
惜
(
を
)
しまるゝ一門の人々ぞ。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
日
(
ひ
)
は
漸
(
やうや
)
く
朝
(
あさ
)
を
離
(
はな
)
れて
空
(
そら
)
に
居据
(
ゐすわ
)
つた。
凡
(
すべ
)
ての
物
(
もの
)
が
明
(
あか
)
るい
光
(
ひかり
)
を
添
(
そ
)
へた。
然
(
しか
)
しながら
周圍
(
しうゐ
)
の
何處
(
いづこ
)
にも
活々
(
いき/\
)
した
緑
(
みどり
)
は
絶
(
た
)
えて
目
(
め
)
に
映
(
うつ
)
らなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
彼
何處
(
いづこ
)
にありや。我は直にかく
曰
(
い
)
へり、是においてか彼。汝の願ひを滿さんためベアトリーチェ我をしてわが座を離れしむ 六四—六六
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
何處
(
いづこ
)
を見ても若葉の緑は洪水のやうに漲り溢れて日の光に照される緑の色の強さは閉めた座敷の障子にまで反映するほどである。
花より雨に
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
▼ もっと見る
其
(
その
)
翌朝
(
よくてう
)
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
と
私
(
わたくし
)
とが
目醒
(
めざ
)
めたのは八
時
(
じ
)
※
(
すぎ
)
で
櫻木海軍大佐
(
さくらぎかいぐんたいさ
)
は、
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
をはじめ
一隊
(
いつたい
)
の
水兵
(
すいへい
)
を
引卒
(
ひきつ
)
れて、
何處
(
いづこ
)
へか
出去
(
いでさ
)
つた
後
(
あと
)
であつた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
見
(
み
)
ながら
孃
(
ぢやう
)
さまは
何處
(
いづこ
)
へぞお
姿
(
すがた
)
が
見
(
み
)
えぬやうなりと
人騷
(
ひとさわ
)
がせするもあり
乳母
(
うば
)
は
夜
(
よ
)
の
目
(
め
)
ろく/\
合
(
あは
)
さずお
高
(
たか
)
が
傍
(
かたへ
)
に
寢床
(
ねどこ
)
を
並
(
なら
)
べ
浮世
(
うきよ
)
雜談
(
ざふだん
)
に
諷諫
(
ふうかん
)
の
意
(
い
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
何處
(
いづこ
)
より起りしか蓬々たり、勃々たる雲、寸刻にして男女兩山の半腹を蔽ひ隱し、更に擴がりて松立、大立、鳴蟲の諸山に幕の如く蔽ひ懸らんとせり。
日光山の奥
(旧字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
叩けば
緩
(
ゆる
)
やかに
出來
(
いできた
)
る
肴
(
さかな
)
はといきまけばまだ
聞
(
きゝ
)
に行た者が歸りませんと落付たり露伴
堪
(
こら
)
へず
其
(
そ
)
は
何處
(
いづこ
)
まで聞にやりしぞ一時間も掛るにまだ戻らぬかと
詞
(
ことば
)
を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
流
(
ながれ
)
の女は朝鮮に流れ渡つて後、更に
何處
(
いづこ
)
の
涯
(
はて
)
に漂泊して其
果敢
(
はか
)
ない生涯を送つて居るやら、それとも既に此世を辭して
寧
(
むし
)
ろ靜肅なる死の國に
赴
(
おもむ
)
いたことやら
少年の悲哀
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
揉
(
もま
)
せ
不幸
(
ふかう
)
の上に
大不幸
(
だいふかう
)
と
異見
(
いけん
)
らしくも言散しサア
何處
(
いづこ
)
へなり勝手に行と
表
(
おもて
)
の方へ
突出
(
つきいだ
)
し
泣倒
(
なきたふ
)
れたる千太郎を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
何處
(
いづこ
)
とも分らず、谷の末は元より意識にあるばかりで、私達の歩いてゐる處は、水の音によつてうかゞひ、立木の
丈
(
たけ
)
を見、
憩
(
いこ
)
ひの息の冷えてゆく
樣
(
さま
)
によつて知るの他はない。
黒岩山を探る
(旧字旧仮名)
/
沼井鉄太郎
(著)
若
(
も
)
し
英米
(
えいべい
)
霸
(
は
)
を
稱
(
せう
)
すれば、
靡然
(
ひぜん
)
として
英米
(
えいべい
)
に
走
(
はし
)
り、
獨國
(
どくこく
)
勢力
(
せいりよく
)
を
獲
(
う
)
れば
翕然
(
きうぜん
)
として
獨國
(
どくこく
)
に
就
(
つ
)
き、
佛國
(
ふつこく
)
優位
(
いうゐ
)
を
占
(
し
)
むれば、
倉皇
(
さうこう
)
として
佛
(
ふつ
)
に
從
(
したが
)
ふならば、わが
獨立
(
どくりつ
)
の
體面
(
たいめん
)
は
何處
(
いづこ
)
にありや。
国語尊重
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
又之等巨大な岩石を
何處
(
いづこ
)
よりか(此の島に斯ういふ石は無い)海上遠く持ち運ぶなどといふ技術は、彼等よりも遙かに比較を絶して高級な文明を有つ人種でなければ不可能だからである。
環礁:――ミクロネシヤ巡島記抄――
(旧字旧仮名)
/
中島敦
(著)
また
何處
(
いづこ
)
にか
他
(
ほか
)
に
居
(
ゐ
)
る事能はずして苦む
目付
(
めつき
)
あり、げに
憐
(
あはれ
)
むに堪へたるかな。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
しかし
何處
(
いづこ
)
にか胸にはらむ恢復の希望……
展望
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
何處
(
いづこ
)
へか吹きわたり
去
(
い
)
にける風ぞ
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
人目を忍びて
何處
(
いづこ
)
に行かん
暮春詠嘆調
(旧字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
何處
(
いづこ
)
におちいるや何ぞ
軍
(
いくさ
)
を避くるやとよべるもおちいりて止まるひまなく、遂に萬民をとらふるミノスにいたれり 三四—三六
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
聲なき此れ等の書物によつて世界の新思想は、丁度牢獄の中に
何處
(
いづこ
)
からとも知れず、
漏
(
も
)
れ
來
(
きた
)
る日光のやうに、若い吾々の頭に沁込んで來るのだ。
新帰朝者日記
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
行先
(
ゆくさき
)
は
何處
(
いづこ
)
、
父
(
ちゝ
)
が
涕
(
なみだ
)
は一
夜
(
よ
)
の
騷
(
さわ
)
ぎに
夢
(
ゆめ
)
とやならん、
持
(
も
)
つまじきは
放蕩息子
(
のらむすこ
)
、
持
(
も
)
つまじきは
放蕩
(
のら
)
を
仕立
(
したつ
)
る
繼母
(
まゝはゝ
)
ぞかし。
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
何處
(
いづこ
)
にも
土地
(
とち
)
珍
(
めづら
)
しき話一つはある物ぞ、
何
(
いづ
)
れ名にし
負
(
お
)
はば、哀れも
一入
(
ひとしほ
)
深草の里と覺ゆるに、話して聞かせずや
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
實際
(
じつさい
)
、
彼
(
かれ
)
は
驛員
(
えきゐん
)
の
呼
(
よ
)
び
聲
(
ごゑ
)
に、
疾
(
と
)
く
此
(
こ
)
の
停車場
(
ステイシヨン
)
の
名
(
な
)
は
聞
(
き
)
いて
心得
(
こゝろえ
)
たので。
空
(
そら
)
も
山
(
やま
)
も、
餘
(
あま
)
りの
色彩
(
いろどり
)
に、
我
(
われ
)
は
果
(
はた
)
して
何處
(
いづこ
)
にありや、と
自
(
みづか
)
ら
疑
(
うたが
)
つて
尋
(
たづ
)
ねたのであつた。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
立ち出づ
宿
(
しゆく
)
の朝景色
何處
(
いづこ
)
も勇ましく甲斐々々しく
清々
(
すが/\
)
しきものなるが分きて
此宿
(
このしゆく
)
は馬で心よく搖られ行く爲か面白し
宿
(
しゆく
)
を離るれば諏訪の湖水朝霧立こめて空も雨を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
驚
(
おどろ
)
かし
何處
(
いづこ
)
へ行やと思ひしに思ひ掛なき大藤の家へと
擔入
(
かきいれ
)
たりければ偖は娘のお光さんが
何處
(
どこ
)
ぞへ
嫁
(
よめ
)
に行事かアノ結納の容子では先は大家の思はるゝが
成程
(
なるほど
)
彼兒
(
あのこ
)
は
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
カンテラの
光
(
ひかり
)
は
樅
(
もみ
)
の
木陰
(
こかげ
)
の
何處
(
いづこ
)
からでも
明瞭
(
はつきり
)
と
勘次
(
かんじ
)
の
容子
(
ようす
)
を
目
(
め
)
に
立
(
た
)
たせる
樣
(
やう
)
にぼう/\と
油煙
(
ゆえん
)
を
立
(
た
)
てながら、
周圍
(
しうゐ
)
の
眼
(
まなこ
)
と
首肯
(
うなづ
)
き
合
(
あ
)
うて
赤
(
あか
)
い
舌
(
した
)
をべろべろと
吐
(
は
)
きつゝゆらめいた
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
あゝ、
大佐
(
たいさ
)
は
其後
(
そのご
)
何處
(
いづこ
)
に
如何
(
どう
)
して
居
(
を
)
るだらうと
考
(
かんが
)
へるとまた
種々
(
さま/″\
)
の
想像
(
さうざう
)
も
沸
(
わ
)
いて
來
(
く
)
る。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
何處
(
いづこ
)
にか
汝
(
な
)
が古頭巾忘れ來し物足らぬ
気
(
げ
)
ぞ
汝
(
なれ
)
の頭の
河馬
(旧字旧仮名)
/
中島敦
(著)
何處
(
いづこ
)
をさして行くとも知れない燕の群れよ
太陽の子
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
何處
(
いづこ
)
より風は落つ、身も
戰
(
をのの
)
かれ
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
わが列祖の事につきては汝これを聞きて足れりとすべし、彼等の誰なりしやまた
何處
(
いづこ
)
よりこゝに來りしやは
寧
(
むし
)
ろ言はざるを
宜
(
むべ
)
とす 四三—四五
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
自國に於てすら道を行はしめる事が出來ないなら、同じ人間の住む
何處
(
いづこ
)
に道を行はしめる國があらう。冷靜殘酷な條理を以て論ずべき問題ではない。
新帰朝者日記
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
よろしう
御座
(
ござ
)
んす
慥
(
たし
)
かに
受合
(
うけあ
)
ひました、むづかしくはお
給金
(
きうきん
)
の
前借
(
まへがり
)
にしてなり
願
(
ねが
)
ひましよ、
見
(
み
)
る
目
(
め
)
と
家内
(
うち
)
とは
違
(
ちが
)
ひて
何處
(
いづこ
)
にも
金錢
(
きんせん
)
の
埓
(
らち
)
は
明
(
あ
)
きにくけれど
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
萬事
(
ばんじ
)
其
(
そ
)
の
方
(
はう
)
に
相
(
あひ
)
まかせる、
此女
(
このもの
)
何處
(
いづこ
)
にても
伴
(
ともな
)
ひ
行
(
ゆ
)
き、
妙齡
(
としごろ
)
を
我
(
わ
)
が
手
(
て
)
に
入
(
い
)
れんまで、
人目
(
ひとめ
)
にかけず
藏
(
かく
)
し
置
(
お
)
け。
妙齢
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
世の
果
(
はて
)
は
何處
(
いづこ
)
とも知らざれば、
亡
(
な
)
き人の
碑
(
しるし
)
にも
萬代
(
よろづよ
)
かけし小松殿内府の
墳墓
(
ふんぼ
)
、見上ぐるばかりの石の面に彫り刻みたる淨蓮大禪門の五字、
金泥
(
きんでい
)
の
色
(
いろ
)
洗
(
あら
)
ひし如く猶ほ
鮮
(
あざやか
)
なり。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
揉事
(
もむこと
)
に非ず早々
何處
(
いづこ
)
へか行きて居れと
叱
(
しか
)
り付いざお光殿是へ御座れと
奧
(
おく
)
の一間へ
喚込
(
よびこめ
)
ば女房は
彌々
(
いよ/\
)
角
(
つの
)
も
生
(
はゆ
)
べき
景色
(
けしき
)
にて
密男
(
まをとこ
)
は七兩二分
密女
(
まをんな
)
に相場は
無
(
ない
)
と
呟
(
つぶや
)
きながら
格子戸
(
かうしど
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
恐
(
おそ
)
る/\
搖籃
(
ゆれかご
)
から
半身
(
はんしん
)
を
現
(
あら
)
はして
下界
(
げかい
)
を
見
(
み
)
ると、
今
(
いま
)
は
何處
(
いづこ
)
の
空
(
そら
)
に
吹流
(
ふきなが
)
されたものやら、
西
(
にし
)
も
東
(
ひがし
)
も
方角
(
ほうがく
)
さへ
分
(
わか
)
らぬ
程
(
ほど
)
だが、
身
(
み
)
は
矢張
(
やはり
)
渺々
(
べう/\
)
たる
大海原
(
おほうなばら
)
の
天空
(
てんくう
)
に
飛揚
(
ひやう
)
して
居
(
を
)
るのであつた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
殿はほほゑみ、『
何處
(
いづこ
)
ぞ』と。
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
さればまづ、いへ、汝の魂
何處
(
いづこ
)
をめざすや、かつまた信ぜよ、汝の視力は亂れしのみにて、滅び失せしにあらざるを 七—九
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
似
(
に
)
ず
止
(
と
)
めれば
振
(
ふり
)
きる
袖
(
そで
)
袂
(
たもと
)
まづ
今
(
いま
)
しばしと
詫
(
わ
)
びつ
恨
(
うら
)
みつ
取
(
と
)
りつく
手先
(
てさき
)
うるさしと
立蹴
(
たちげ
)
にはたと
蹴倒
(
けたふ
)
されわつと
泣
(
な
)
く
聲
(
こゑ
)
我
(
わ
)
れとわが
耳
(
みゝ
)
に
入
(
い
)
りて
起
(
お
)
き
返
(
かへ
)
るは
何處
(
いづこ
)
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
童謠
(
どうえう
)
は(
應
(
おう
)
)が
始
(
はじ
)
めて
來
(
きた
)
りし
稍
(
やゝ
)
以前
(
いぜん
)
より、
何處
(
いづこ
)
より
傳
(
つた
)
へたりとも
知
(
し
)
らず
流行
(
りうかう
)
せるものにして、
爾來
(
じらい
)
父母※兄
(
ふぼしけい
)
が
誑
(
だま
)
しつ、
賺
(
すか
)
しつ
制
(
せい
)
すれども、
頑
(
ぐわん
)
として
少
(
すこ
)
しも
肯
(
き
)
かざりき。
蛇くひ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
言語文字まで自國のものより外國のものを愛すると云ふ國民は世界中
何處
(
いづこ
)
にも無かるべくと存じ候。
新帰朝者日記
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
何處
(
いづこ
)
に人は徂き果つとも
独絃哀歌
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
テレンツィオ、チェチリオ、プラウト及びヴァリオの
何處
(
いづこ
)
にあるやを我に告げよ、告げよ彼等罪せらるゝや、そは何の地方に於てぞや。 —九九
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
馥郁とせし香の
何處
(
いづこ
)
ともなくして、胸の中すゞしく成ると共に、物に覆はれたらん樣なりし頭の初めて我れに復へりて、僅かに目を開きて身邊を見廻ぐらせば
暗夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
時
(
とき
)
や
冬
(
ふゆ
)
、
小春日
(
こはるび
)
の
返
(
かへ
)
り
咲
(
ざき
)
にも
怪
(
あや
)
し
何處
(
いづこ
)
にか
取
(
と
)
り
得
(
え
)
たる。
昌黎
(
しやうれい
)
屹
(
きつ
)
と
其
(
そ
)
の
面
(
おもて
)
を
睨
(
にら
)
まへてあり。
韓湘
(
かんしやう
)
拜謝
(
はいしや
)
して
曰
(
いは
)
く、
小姪
(
せうてつ
)
此
(
こ
)
の
藝當
(
げいたう
)
ござ
候
(
さふらふ
)
。
因
(
よ
)
りて
書
(
しよ
)
を
讀
(
よ
)
まず
又
(
また
)
學
(
まな
)
ばざるにて
候
(
さふらふ
)
。
花間文字
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
出來るかぎり遠く此の狹苦しい
家
(
うち
)
から離れて、自由自在に、さはやかな雨後の空氣を吸つて見たい。行先きを問ひたゞす女には
何處
(
いづこ
)
へとも答へられず、私は其の儘
戸外
(
そと
)
へ出た。
歓楽
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
『
何處
(
いづこ
)
へ
汝
(
いまし
)
しのびて』と
春鳥集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
かれ物言はで逃去りぬ、此時我は怒り
滿々
(
みち/\
)
し一のチェンタウロ、
何處
(
いづこ
)
にあるぞ、
執拗
(
かたくな
)
なる者何處にあるぞとよばはりつゝ來るを見たり 一六—一八
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
何
(
ど
)
うでも
日
(
ひゞ
)
々を
義務
(
つとめ
)
ばかりに
送
(
おく
)
りて
身
(
み
)
は
此處
(
こゝ
)
に
心
(
こゝろ
)
は
何處
(
いづこ
)
の
空
(
そら
)
を
倘佯
(
さまよふ
)
らん、一〻
氣
(
き
)
にかゝる
事
(
こと
)
ども、
我
(
わ
)
が
女房
(
にようぼう
)
を
人
(
ひと
)
に
取
(
と
)
られて
知
(
し
)
らぬは
良人
(
おつと
)
の
鼻
(
はな
)
の
下
(
した
)
と
指
(
ゆび
)
さゝれんも
口惜
(
くちお
)
しく
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
何
常用漢字
小2
部首:⼈
7画
處
部首:⾌
11画
“何處”で始まる語句
何處迄
何處邊
何處其處
何處开處