“どつち”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
何方80.2%
孰方8.1%
7.0%
那箇1.2%
1.2%
何室1.2%
何處1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
何方どつちが負けたにした所で、しんいきほひを失ふといふ事にもならず、美がかゞやきを減ずるといふ羽目はめにも陥る危険はないぢやありませんか
点頭録 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
海老を正木美術学校長の似顔にいたかうかは知らない、海老と正木氏と——強い者の前では、孰方どつちもよく腰を屈めるすべを知つてゐる。
田舎の隠居の方は、それにかけては気楽だけれど、お爺いさんは世話がやけて為方しかたがないでせう。だからどつちも駄目さ。
或売笑婦の話 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
「大変むづかしく成りましたのね。さうですね、それは那箇どつちかがわるい事も有りませう。又女の性分にも由りますけれど、一概に女と云つたつて、一つはとしに在るので御座いますね」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
あんな奴は那箇どつちだつて可いんでさ。第一きてゐるのが間違つてゐる位のものです。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
『今?』と銀之助はお志保の顔をながめた。『それからどつちの方へ行きましたらう、御存じは有ますまいかしら。』
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
部屋へや四疊よでふけた。薄暗うすぐらたてなが一室いつしつ兩方りやうはうふすま何室どつちほか座敷ざしき出入でいり出來できる。つまおくはうから一方いつぱうふすまけて、一方いつぱうふすまから玄關げんくわん通拔とほりぬけられるのであつた。
怪談女の輪 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
何處どつちを見たつて、何んにもなかつた。
防雪林 (旧字旧仮名) / 小林多喜二(著)