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孰
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どつち
ふりがな文庫
“
孰
(
どつち
)” の例文
與吉
(
よきち
)
は
卯平
(
うへい
)
の
側
(
そば
)
から
斜
(
なゝめ
)
に
手
(
て
)
を
出
(
だ
)
して
居
(
ゐ
)
た。
卯平
(
うへい
)
は
與吉
(
よきち
)
の
小
(
ちひ
)
さな
足
(
あし
)
の
甲
(
かふ
)
へそつと
手
(
て
)
を
觸
(
ふ
)
れて
見
(
み
)
た。
手
(
て
)
も
足
(
あし
)
も
孰
(
どつち
)
もざら/\とこそつぱかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
田舎の隠居の方は、それにかけては気楽だけれど、お爺いさんは世話がやけて
為方
(
しかた
)
がないでせう。だから
孰
(
どつち
)
も駄目さ。
或売笑婦の話
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
そこは晴代も遊びに行つたことのある芸者屋だつたが、そこで始まる遊び事は、
孰
(
どつち
)
かといへば素人の加はつてはならない半商売人筋のものであつた。
のらもの
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
が、
孰
(
どつち
)
かと
云
(
い
)
へば、
愛嬌
(
あいけう
)
もある、
気
(
き
)
も
利
(
き
)
く、
画
(
ゑ
)
の
趣味
(
しゆみ
)
も
私
(
わたし
)
が
莫迦
(
ばか
)
にする
程
(
ほど
)
でもない。
此
(
これ
)
と
云
(
い
)
ふ
長所
(
とりゑ
)
も
面白味
(
おもしろみ
)
もないが、
気質
(
きしつ
)
は
如何
(
いか
)
にも
丸
(
まる
)
く
出来
(
でき
)
てゐる。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
孰
(
どつち
)
も色が浅黒いところから、長火鉢は
紫檀
(
したん
)
、食卓も鏡台も
箸箱
(
はしばこ
)
も黒塗りといつた風の、世帯をもつ前後の他愛のない気分や、木山が遊び半分親店へ通つてゐる間に
のらもの
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
▼ もっと見る
別に
孰
(
どつち
)
からも何とも口をきかないうちに、あの辺に一人くらゐ馴染のあることも公然の秘密みたいになつてゐたけれど、晴代は
朧
(
おぼろ
)
げに想像して内心厭な気持がしてゐるだけで
のらもの
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
『フン、
孰
(
どつち
)
が外聞が惡いんだらう。私や
十歳
(
とを
)
の時から
姉
(
ねえ
)
さんの御奉公してゐたんだよ。其で姉さんの手から、
半襟
(
はんゑり
)
一
懸
(
かけ
)
くれたこともありやしないで。チヨツ利いた
風
(
ふう
)
な事を言つてるよ。』
絶望
(旧字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
『嘘なもんか。實際だよ。』と松公は
獨
(
ひとり
)
で笑つて、『第一
己
(
おれ
)
は金さんに濟まないと云ふ、其も有るからね。が、
孰
(
どつち
)
にしても行く。今夜
必然
(
きつと
)
行く。』と
胡散
(
うさん
)
くさい
目色
(
めつき
)
をして、女を
見下
(
みおろ
)
す。
絶望
(旧字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
「あんたとこのおでんと、
孰
(
どつち
)
がおいしい?」蝶子がきくと
チビの魂
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
孰
漢検1級
部首:⼦
11画
“孰”を含む語句
孰方
孰方道
孰與