ある)” の例文
ただその重く暗い石屋根の下にひそかな住人の転変が隠されているのは、宿のあるじの話でも察しられて、ぜひもない。月は更けて雲におおわれる。
ある偃松の独白 (新字新仮名) / 中村清太郎(著)
男女の雇人を十五人も置いて贅沢三昧ぜいたくざんまいに暮らしている、あるじの持助はまだ二十五六だが、どんなに金満家なのか木山という木山を片端かたっぱしから買いあさり
そもどのような風雅のあるじを持っているのか? と、何ごころなく眺めやった露月のに、はじめて例の若衆ぶりが、突如として花のように映じたのであります。
艶容万年若衆 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
ここの事を、私が初めて聞いたのは、一昨三十一年八月の末、双六小屋の炉ばたであるじ小池義清さんの弟で猟師の義蔵さんが、——面白い所がある、と話してくれた時だ。
ある偃松の独白 (新字新仮名) / 中村清太郎(著)
しかし山をあるじの座にすえた画は伝統にもまれだ、(富士を除いて)。
ある偃松の独白 (新字新仮名) / 中村清太郎(著)