アルジ)” の例文
ウマノ刻ニ、アルジノ親シキ者、イノコノ肉卜酒トヲタズサエテ、オトナイ来ラン、ソノ人、東ヨリ来テ、コノ家ニ、悲シミヲモタラス。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
二盞を呑み尽せば王侯貴族の宮殿にアルジとなつて、錦の寝椅子に恍惚としてゐるものを、あの声を耳にするがいなや、真さかさまに元の馬小屋に戻つてしまふと、憤つて
幽霊の出る宮殿 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
サレド富貴栄達ノ相アレバ、一国一城ノアルジタラム。
『何か貴方御心あたりがありませんか、千世子のなんに——もうこないだもアルジに云って居たんですがもう約束位して置いたっていいってネエ、忠太さんに会った時もそ云ったんですけど……なるたけ工科の人で少しは文学嗜味のある人ですけどどうでしょう』
千世子 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)