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主
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おも
ふりがな文庫
“
主
(
おも
)” の例文
金田氏は
元
(
もと
)
刀剣の
鞘師
(
さやし
)
でありましたが、後牙彫商になって浅草
向柳原
(
むこうやなぎわら
)
に店を持っている貿易商人で、
主
(
おも
)
に上等品を取り扱っているので
幕末維新懐古談:47 彫工会の成り立ちについて
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
しかし
主
(
おも
)
なものや特色あるものは、ほぼ示しましたから、これで日本の手工藝の現状をあらまし知ることは出来るでありましょう。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
かういふことは、彼女だけの祕密であること、また彼女の知つてゐることといつても、
主
(
おも
)
に
推測
(
すゐそく
)
にすぎないことなどを誓ふのであつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
わたしたちはカピが
一座
(
いちざ
)
の
主
(
おも
)
な役者で、そのうえ天才であることを
説明
(
せつめい
)
して、なんによらずだいじにあつかっているのだと言い聞かした。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
これは祖先以来の出入先で、本郷五丁目の加賀中将家、桜田堀通の上杉侍従家、桜田
霞
(
かすみ
)
が
関
(
せき
)
の松平少将家の三家がその
主
(
おも
)
なるものであった。
細木香以
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
金兵衛は
白山前町
(
はくさんまえまち
)
に店を持っていて、道具屋といっても
主
(
おも
)
に
鎧
(
よろい
)
兜や刀剣、槍、弓の武具を取扱っているので、邦原家へも出入りをしている。
兜
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
主
(
おも
)
にどんなことを考へていらつしやるのか、あの頭の中でどんなことが目論まれてゐるのか、それがひとつ知りたいものだて。
狂人日記
(旧字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
狹衣子
(
さごろもし
)
が
手傳
(
てつだ
)
ひに
來
(
き
)
ては、つい、
社
(
しや
)
に
出
(
で
)
る
時間
(
じかん
)
を
忘
(
わす
)
れた
事
(
こと
)
や、
佛骨子
(
ぶつこつし
)
が
穴
(
あな
)
の
中
(
なか
)
で
午睡
(
ひるね
)
をした
事
(
こと
)
や、これ
等
(
ら
)
は
奇談
(
きだん
)
の
主
(
おも
)
なるもの。
探検実記 地中の秘密:02 権現台の懐古
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
そこへオランダ代理公使ブロックと同国書記官クラインケエスも落ち合って見ると、公使一行の
主
(
おも
)
なものは都合六人となった。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
別に二人の
主
(
おも
)
だった土人が場所がないのでわれわれにくっついて寝た。そのためわれわれは旅行よりは泊まることによって一層くたびれた。
森の生活――ウォールデン――:02 森の生活――ウォールデン――
(新字新仮名)
/
ヘンリー・デイビッド・ソロー
(著)
むろん
例外
(
れいがい
)
はありましょうが、
現在
(
げんざい
)
では
数百年前
(
すうひゃくねんぜん
)
乃至
(
ないし
)
千
年
(
ねん
)
二千
年
(
ねん
)
前
(
ぜん
)
に
帰幽
(
きゆう
)
した
人霊
(
じんれい
)
が、
守護霊
(
しゅごれい
)
として
主
(
おも
)
に
働
(
はたら
)
いているように
見受
(
みう
)
けられます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
しかしこれは
主
(
おも
)
に江戸の芸術であり、風俗である。
京阪
(
けいはん
)
移殖
(
いしょく
)
の美人型が、
漸
(
ようや
)
く、江戸
根生
(
ねおい
)
の個性あるものとなったのだった。
明治美人伝
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
事の意外に出でたる驚、ことばに現すべからざる痛、
負心
(
ふしん
)
の人に對する
忿
(
いかり
)
、皆明かに觀る人の心に印せられき。ヂドは今
主
(
おも
)
なる
單吟
(
アリア
)
に入りぬ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
野蛮人の絵画、太古の絵画も線に
主
(
おも
)
きを置いている。近代フランスの野蛮人もまた線へ立ち戻る事に努力したようである。
油絵新技法
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
このマイダスという王様は、世の中の他の何よりも
金
(
きん
)
が好きでした。彼が自分の王冠を大切に思うのも、
主
(
おも
)
にそれが金で出来ているからでした。
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
また
骨角器以外
(
こつかくきいがい
)
に
貝殼
(
かひがら
)
で
造
(
つく
)
つた
器物
(
きぶつ
)
もないではありませんが、それは
主
(
おも
)
に
裝飾
(
そうしよく
)
に
用
(
もち
)
ひられたもので、
中
(
なか
)
でも
一番
(
いちばん
)
多
(
おほ
)
いものは
貝
(
かひ
)
の
腕輪
(
うでわ
)
であります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
それからその後に出て来るその中の
主
(
おも
)
だった者と思えるような人に対してまたその事を願いましたところが、どうも今承諾する訳にはいかない。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
和歌はその調べが俳句とは違って幽玄な思想であるように響いて来る、しかしその幽玄と感ずるところは歌の形体から来る感じが
主
(
おも
)
なものである。
俳句への道
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
主
(
おも
)
だった警官が、命令するようにさけびました。五人の警官が、ピストルの銃口をそろえて、ねらいをさだめました。
電人M
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
『そうばかりも成りますまい、
彼奴等
(
きゃつら
)
は、あわよくば、大石殿を初め、同腹の
主
(
おも
)
なる者を、闇討ちしてしまおうという企みさえ抱いて居りますのに』
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
たいてい司教会員である司教書記を毎日引見し、また管轄の
主
(
おも
)
な助任司祭をほとんど毎日引見しなければならない。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
日本
(
につぽん
)
に
於
(
お
)
ける
地震學
(
ぢしんがく
)
のこれまでの
發達
(
はつたつ
)
は
主
(
おも
)
に
人命
(
じんめい
)
財産
(
ざいさん
)
に
關
(
かん
)
する
方面
(
ほうめん
)
の
研究
(
けんきゆう
)
であつた。
然
(
しか
)
るに
最近
(
さいきん
)
二十年
(
にじゆうねん
)
の
間
(
あひだ
)
、
歐米
(
おうべい
)
に
於
(
お
)
ける
地震學
(
ぢしんがく
)
は
他
(
た
)
の
方面
(
ほうめん
)
に
發達
(
はつたつ
)
した。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
二人は明らかに
喧嘩
(
けんか
)
をしていた。その喧嘩の
渦中
(
かちゅう
)
には、知らない
間
(
ま
)
に、自分が引き込まれていた。あるいは自分がこの喧嘩の
主
(
おも
)
な原因かも分らなかった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
其の
主
(
おも
)
なるものは、弘治元年七月十九日
犀川
(
さいがわ
)
河畔の戦闘と永禄四年九月十日の川中島合戦との二回だけである。
川中島合戦
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
支那
(
しな
)
で昔から行なわれた
肉刑
(
にくけい
)
の
主
(
おも
)
なるものとして、
黥
(
けい
)
、
劓
(
ぎ
)
(はなきる)、
剕
(
ひ
)
(あしきる)、
宮
(
きゅう
)
、の四つがある。
李陵
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
しかしさっきも云う通り、
主
(
おも
)
に話したのは未来にかく絵の事だ。それは是非話さなくてはならなかったからな。
家常茶飯 附・現代思想
(新字新仮名)
/
ライネル・マリア・リルケ
(著)
かたなの手品だけに見物人は男が
主
(
おも
)
、女子供は数えるほどしかいない中に、
恐
(
こわ
)
らしい浪人頭がチラホラ見える。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
前条には信念と題して
主
(
おも
)
に虎を神また使い物として崇拝する事を述べたが、ここには民俗てふ広い名の下に虎に係る俗信、俗説、俗習を手当り次第
序
(
の
)
べよう。
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
柱の
状挿
(
じょうさし
)
には、
主
(
おも
)
に東京から入って来る手紙や電報が、
夥
(
おびだた
)
しく
挿
(
はさ
)
まれてあった。米屋町の旦那のような風をしたその主人を、お島は不思議そうに眺めていた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
ガラン教授から一世紀の
後
(
のち
)
——即ち一八〇〇年以後の
主
(
おも
)
なる訳者を列挙して見ると、大体
下
(
しも
)
の通りである。
リチャード・バートン訳「一千一夜物語」に就いて
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
私は娼婦の発生した
主
(
おも
)
な原因を以上のように推定する。即ち男子の性欲の過剰と好新欲とが第一因となり、女の経済的無力が第二因となって発生したのである。
私娼の撲滅について
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
かういふ
風
(
ふう
)
に
葉
(
は
)
の
同
(
おな
)
じ
緑色
(
みどりいろ
)
の
中
(
なか
)
にちがひがあるのは、なぜかといふと、これは、
主
(
おも
)
に
葉
(
は
)
の
細胞内
(
さいぼうない
)
に
含
(
ふく
)
まれてゐる、
緑色素
(
りよくしよくそ
)
といふものの
濃
(
こ
)
さ
淡
(
あは
)
さによるものです。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
そしてそれを珍重がっていた。虎やんまは往来を低く飛んできて、たちまちのうちにもち
竿
(
ざお
)
の陣を突破してしまう。虎やんまの出るのは
主
(
おも
)
に日盛りの時分である。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
アナミツの方は、使ふとるもんが
主
(
おも
)
ですけツどんが、あん人達にやあん人達の世間ていふもんがあつて、やれなんのかんのて、それ相当にごたごたがあツとですな。
牛山ホテル(五場)
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
支那の松は全く別種です。赤松はどこでも山や野に見られますが黒松は
主
(
おも
)
に海岸方面に生えています。
植物記
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
わたくしに、江戸では、
主
(
おも
)
にどのような方々の
御贔屓
(
ごひいき
)
になっているか——なぞ、お尋ねでありますゆえ、ここぞとばかり、口幅ったくも、お名前を申し上げました。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
「いえな、内じゃ
芸妓屋
(
げいこや
)
さんへ出前ばかりが
主
(
おも
)
ですから、ごらんの通りゆっくりじゃえな。ほんにお師匠さん
佳
(
い
)
いお声ですな。なあ、
良人
(
あんた
)
。」と、横顔で亭主を
流眄
(
ながしめ
)
。
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
あなた
方
(
がた
)
がこの
歌
(
うた
)
から
受
(
う
)
ける
感
(
かん
)
じは、
確
(
たし
)
かにさうした
方面
(
ほうめん
)
が
主
(
おも
)
なのだと
考
(
かんが
)
へて
貰
(
もら
)
はねばなりません。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
「
先刻
(
さっき
)
の冒険の」と助役が言いました。「一番
主
(
おも
)
だった僕の目的と言うのは、始めからこいつにあったのさ。もっともこんな煎餅を手に入れようとは思わなかったがね。 ...
とむらい機関車
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
広告の
引
(
ひ
)
き札や名刺が
主
(
おも
)
で、時には郡役所警察署の簡単な報告などを頼まれて
刷
(
す
)
ることもあるが、それはきわめてまれであった、棚に並べたケースの活字も少なかった。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
私の父は
彫金師
(
ほりものし
)
だった。しかし、
主
(
おも
)
にゴム人形だとか
石鹸
(
せっけん
)
などの原型を彫刻していた。父がいつも二三人の
弟子
(
でし
)
を相手に仕事をしている細工場へ私は好んで遊びに行った。
幼年時代
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
で、小説の
類
(
るい
)
は
余
(
あま
)
り
寄稿者
(
きかうしや
)
が無かつたので、
主
(
おも
)
に
山田
(
やまだ
)
と
石橋
(
いしばし
)
と
私
(
わたし
)
とのを
載
(
の
)
せたのです、
此
(
こ
)
の
三人
(
さんにん
)
以外
(
いぐわい
)
に
丸岡九華
(
まるおかきうくわ
)
と
云
(
い
)
ふ人がありました、
此
(
この
)
人は小説も書けば
新躰詩
(
しんたいし
)
も作る
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
予
(
わし
)
が
廟
(
たまや
)
へ
降
(
お
)
りるは、
姫
(
ひめ
)
の
面
(
かほ
)
を
見
(
み
)
ようがためでもあるが、それよりも
姫
(
ひめ
)
が
身
(
み
)
に
着
(
つ
)
けた
貴
(
たふと
)
い
指輪
(
ゆびわ
)
を
或
(
ある
)
大切
(
たいせつ
)
な
用
(
よう
)
に
使
(
つか
)
はうため
取外
(
とりはづ
)
して
來
(
く
)
るのが
主
(
おも
)
な
目的
(
もくてき
)
ぢゃによって、
早
(
はや
)
う
往
(
い
)
ね。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
主
(
おも
)
だった星座を暗記していれば
素人
(
しろうと
)
でも新星を発見し得る
機会
(
チャンス
)
はあるという事も話した。
小さな出来事
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
そんな次第で日本の古代では農民が
主
(
おも
)
になっておりまして、農民以外の者は
公民
(
おおみたから
)
ではない。「たみ」ではない。百姓すなわち人民の仲間に加わらないから、これを「
非人
(
ひにん
)
」と申す。
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
左大臣家にいる
葵
(
あおい
)
夫人(この人のことを
主
(
おも
)
にして書かれた巻の名を用いて書く)
源氏物語:09 葵
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
「ノートだって僕が
主
(
おも
)
に稼いだんだけれども、席次は吉川君の方がグッと好いんだ。一つは試験運もあるだろうけれど、一緒にやるなら自分が徳をしようと思っているんだから敵わない」
求婚三銃士
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
少い暇に読む書物も、それから考へることもさういふことが
主
(
おも
)
になつてゐた。
念珠集
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
それで
不取敢
(
とりあへず
)
離室
(
はなれ
)
の八畳間を吉野の
室
(
へや
)
に充てて、自分は母屋の奥座敷に机を移した。吉野と兄の室の掃除は、下女の手伝もなく
主
(
おも
)
に静子がする。兎角、若い女は若い男の用を足すのが嬉しいもので。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
抱き合うばかりでも、世の中の
主
(
おも
)
な
楽
(
たのしみ
)
の一つです。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
主
常用漢字
小3
部首:⼂
5画
“主”を含む語句
主人
亭主
主婦
主家
女主人
家主
御主
主殺
主題
御亭主
坊主
神主
主翁
主君
領主
主從
主取
救世主
主従
女主人公
...