燈明あかし)” の例文
新字:灯明
左側は祠で、一番太鼓のとゞろきと共にそこへお燈明あかしがさし入れられ、ほんのりその灯が夏萩の茂みを濡らした。「本郷若竹亭」と前書して
寄席風流 (新字旧仮名) / 正岡容(著)
見る間に不動明王の前に燈明あかしき、たちまち祈祷きとうの声が起る。おおしく見えたがさすがは婦人おんな,母は今さら途方にくれた。
武蔵野 (新字新仮名) / 山田美妙(著)
お杉は、うちを出たり入ったりして、繰返し繰返し訊ねていた。——やがて日が暮れると、先祖の位牌いはいに、燈明あかしをともして、何か念じるように、その下に坐っていた。
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)