赤石あかし)” の例文
堤に上りて下れば即海辺の石砂平遠なり。すべて是赤石あかしの浦といふ。石上に坐するに都て土塵なし。波濤来りて人を追がごとし。海面一仮山のごときものは淡路島なり。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
赤石あかし総門を出て赤石川を渡り皇子くわうじ村を経て一里半大久保駅、三里半加古川駅にいたる。一商家に小休す。駅吏中谷三助(名清なはせい字惟寅あざなはゐいん号詠帰えいきとがうす、頼春水の門人なり)来訪、頼杏坪きやうへいの書を達す。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)