あかし)” の例文
新字:
即ち「神」と「道」とをあかしする所以であり、かくあかしするところに自己の使命があると信ずる信念を豫想するものでなければならない。
三太郎の日記 第三 (旧字旧仮名) / 阿部次郎(著)
彼は生命いのちの新たなるころまことの力すぐれたれば、そのすべての良き傾向かたむきは、げにめざましきあかしとなるをえたりしものを 一一五—一一七
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
いまこそ彼女かのぢよは、をつとれい純潔じゆんけつ子供こどもまへに、たとへ一時いつときでもそのたましひけがしたくゐあかしのために、ぬことが出來できるやうにさへおもつた。
(旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
われそのあかしを見しことあればよく知りたり、猶太の徒も基督の徒も、神の目より視ば同じかるべければ、彼人の行末を護り給ふならんといふ。
「門太郎があの足拵へで中へ入らなかつたあかしだ——猪之吉の水垢離の間に、草鞋をいで入る隙はなかつた筈だ」
何等明らかな敵意の振舞ひも、非難の言葉もなしで、彼は最早私が、彼の愛顧のかこひの外に放り出されてゐるのだといふ罪のあかしを、絶え間なく私に感じさせるやうにした。
それから、あなたは、あゝ主なる神様! 私が一ばん劣等な人間でないことを、自分の軽蔑した人たちにも劣つたものでないことを私自身にあかしするために、数篇のよき詩を書くことを許させたまへ。
見よ群神の中にしてわれの至上のこのあかし、 525
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
あかしにと死する勇ありや。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
いへ、これらの業の行はれしを汝に定かならしむるものは誰ぞや、他なし、自らあかしを求むる者ぞ汝にこれを誓ふなる。 一〇三—一〇五
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
「一月五日の晩、お前と一緒に船の中で一晩過したといふあかしが立ちさへすれば助かる。サア、かうしてゐるうちにも處刑が濟むかも知れない。早、早く、早く」
その車の傍なる座をば、樂長にも許さず、吾友にも許さで、彼媼を伴ひしこそ、姫が心の清きあかしなれ。
いざ喜べ、汝しかするはうべなればなり、汝富めり、汝泰平なり、汝さとし、わがこのことばの僞りならぬは事實よくこれをあかしす 一三六—一三八
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
たはぶれの調子にて)餘りに讚めちぎり給ふな。我等が渠の机に對ひて數學理學に思をふかむるを期せし時、渠は拿破里ナポリの女優に懸想してうはの空なりしなり。ジエンナロ。そは多情多恨なるあかしなるべし。
シパといひならふ舌もなほその數これに及びがたし、若しこの事のしるしあかしをほしと思はゞたゞ慾深き我等の胸を思ひいづべし 六一—六三
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
汝が我をば世に慾深かりし者なりきと信ずることは汝の問ひよく我にあかしす、これ思ふにわがかの圈にゐたるによらむ 三一—三三
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
次の旗手と共にこの物の爲しゝことをば、ブルートとカッシオ地獄にあかしす、このものまたモーデナとペルージヤとを憂へしめたり 七三—七五
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
パルメニーデ、メリッソ、ブリッソ、そのほか行きつゝ行方ゆくへを知らざりし多くの人々みな世にむかひて明かにこれがあかしをなす 一二四—一二六
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
されど我はなほ群をみんとてとゞまり、こゝに一のものをみたりき、若しほかにあかしなくさりとて良心 一一二—
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
すなはち生れて七の頭あり、その夫の徳を慕ふ間十のつのよりそのあかしをうけし女なり 一〇九—一一一
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)