“油燈”のいろいろな読み方と例文
新字:油灯
読み方割合
カンテラ22.2%
ラムプ22.2%
ランプ22.2%
カガニェツ11.1%
カガニェツツ11.1%
カガニェーツ11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼方あちらの棚には茶椀、皿小鉢、油燈カンテラ等を置き、是方こちらの壁には鎌を懸け、種物の袋を釣るし、片隅に漬物桶、炭俵。台所の道具は耕作の器械と一緒にして雑然ごちや/\置並べてあつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
余は暫し茫然として立ちたりしが、ふと油燈ラムプの光に透して戸を見れば、エルンスト、ワイゲルトと漆もて書き、下に仕立物師と注したり。これすぎぬといふ少女が父の名なるべし。
舞姫 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
何一つ欠けているものがあるだろうか? 芝居もあれば、舞踏会もあり、篝火かがりび油燈ランプで照らされた庭園は、耳を聾するような楽の音とともに夜もすがら輝きわたっている。
油燈カガニェツはなんぞに怯えでもしたやうに顫へてパチパチと燃えながら、うちの中のわしたちを照らしてゐる。紡錘つむはビイビイと唸つてゐる。
ひとり酒場の亭主だけは油燈カガニェツツの前で、荷馬車ひきどもが酒を何升何合飲み乾したかといふ目標めじるしを棒切れに刻みつけてゐた。祖父は三人前として二升ばかり酒を注文して、納屋へ陣取つたものだ。
一方、勝ち誇つた女房は、床に油燈カガニェーツをおいて、袋の紐を解くと、早速なかを覗いた。