油燈ランプ)” の例文
新字:油灯
何一つ欠けているものがあるだろうか? 芝居もあれば、舞踏会もあり、篝火かがりび油燈ランプで照らされた庭園は、耳を聾するような楽の音とともに夜もすがら輝きわたっている。
余はしばし茫然ぼうぜんとして立ちたりしが、ふと油燈ランプの光にすかして戸を見れば、エルンスト・ワイゲルトとうるしもて書き、下に仕立物師したてものしと注したり。これすぎぬという少女が父の名なるべし。
舞姫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)