阿母おつかあ)” の例文
「死ぬことは分つて居るのやさかい、一日でも早う亡くなつて呉れりや宜いと、俺も阿母おつかあもさう言つて居れど。」
厄年 (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
「アイ、二十日はつかが俺の誕生日だツて、阿母おつかあが今川焼三銭買つて、ちやんの仏様へ上げて、あとは俺が皆な食べたよ」と、突如だしぬけに返事したるは、覚束おぼつかなき賃仕事に細きけむり立て兼ぬる新後家しんごけせがれなり
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
『お雪坊や、お前の阿母おつかあはな、偉えこと綺麗な女だつたぞ。』
散文詩 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
「ざま見よ、気味が宜いな。貴様の阿母おつかあごねつたがいや、やあい、親なしい!」
厄年 (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)