阿母あぼ)” の例文
あのお邸の中に桑木厳翼げんよくさんの阿母あぼさんのお里があって鈴木とかいった。その鈴木の家の息子がおりおり僕の家へ遊びに来たことがあった。
僕の昔 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
いわんやまた阿母あぼ老健にして、新妻のさらにいとしきあるをや。葉巻のかんばしきを吸い、陶然として身を安楽椅子の安きに託したる武男は、今まさにこの楽しみをけけるなり。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)