“遣場”の読み方と例文
読み方割合
やりば100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かえって夫人がさしうつむいた、顔を見るだにあわれさに、かたえへそらす目の遣場やりばくだんの手帳を読むともなく、はらはらと四五枚かえして
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あの時お前のおとっさんは、お前の遣場やりばに困って、阿母おっかさんへのつらあてに川へでも棄ててしまおうかと思ったくらいだったと云う話だよ。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
で、なく、あの迷妄を一途いちずに持ち続けていたらあの遣場やりばのない情熱のために、この身は風船のように破裂したに相違あるまい。
吊籠と月光と (新字新仮名) / 牧野信一(著)