“やりば”の漢字の書き方と例文
語句割合
遣場100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
遣場やりばのない視線をば追々に夏の日のさし込んで来る庭の方へ移したが、すると偶然垣根の外には大方一月寺いちげつじあたりから来る虚無僧こむそうであろう
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
うなるとすこ遣場やりばこまるのね」とうつたへるやう宗助そうすけげた。實際じつさい此所こゝげられては、御米およね御化粧おつくりをする場所ばしよくなつて仕舞しまふのである。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
『濟まなかつたわ。』と何氣なく言つたが、一寸目の遣場やりば困つた。そして、微笑ほゝえんでる樣な靜子の目と見合せると色には出なかつたが、ポッと顏のあからむを覺えた。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)