“遣戸”の読み方と例文
読み方割合
やりど100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
はね起きると、すばやく倒れた遣戸やりど小盾こだてにとって、きょろきょろ、目を左右にくばりながら、すきさえあれば、逃げようとする。
偸盗 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
たのしい夜は雪にもならず、みな歌をものして過ごし、けて筒井は下がろうとして仲の遣戸やりどをあけようとすると、よい月夜になっていた。
津の国人 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
早起きではいつも一番の爺の左近が、遣戸やりどをあけて、そのあかがおを東の空へあげたとたんに、こう独りでつぶやいていた。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)