“婉”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
えん37.5%
あで12.5%
しず12.5%
しな12.5%
しを12.5%
なま12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
知らずのお絃は——お絃流の、なに、そんなものはないが、とにかく、喧嘩の真中まんなかへ割り込んで、えん然にっこり名たんかを切ろうという物凄ものすご姐御あねご
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
綾羅りようらの袂ゆたかにひるがへるは花に休める女蝶めてふの翼か、蓮歩れんぽふしきふなるは蜻蛉かげろふの水に點ずるに似たり。折らば落ちん萩の露、ひろはば消えん玉篠たまざゝの、あはれにも亦あでやかなる其の姿。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
また姉のしず子は海軍造船中将(男爵)山内万寿治に嫁して昭和十七年に亡くなり、次兄輔宗は外国商館に勤めておりましたが、これも昭和三年に亡くなっております。
『若菜集』におけるあのしなやかな曲線的表現は、「常盤樹」に来て、非常に直線的な格調をもちはじめた。用語も、和文脈から漢詩の様式を思い浮ばせる形式に推移して来る。
藤村の文学にうつる自然 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
自分が始めてこの根本家を尋ねた時、妻君がしきりに、すきくは等を洗つて居た田池たねけ——其周囲には河骨かうほね撫子なでしこなどが美しくそのしをらしい影をひたして居たわづか三尺四方に過ぎぬ田池の有つた事を。
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
かなりなまめいた月見の戯が浜いっぱいに開かれるのだそうである、藻潮を焚いて月を待つという、歌めいた習慣に清三はなにか雅致のある懐しさを感じさせられた。
須磨寺附近 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)