“田池”の読み方と例文
読み方割合
たねけ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
自分が十五六の悪戯盛いたづらざかりには相棒の杉山とよくこの田池たねけの鯉を荒して、一夜に何十尾といふ数を盗んで、殆ど仕末に困つた事があつたとの事を聞いて居つたが
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
やうやく長野から判事、検事、などが、警察官と一緒に遺つて来て臨検したが、その溺死した田池たねけがいかにも狭く小さいので、いかに酔つたからとて、こんな所でひとりで溺れるといふ訳は無い。
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
自分が始めてこの根本家を尋ねた時、妻君がしきりに、すきくは等を洗つて居た田池たねけ——其周囲には河骨かうほね撫子なでしこなどが美しくそのしをらしい影をひたして居たわづか三尺四方に過ぎぬ田池の有つた事を。
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)