“とんぼ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:トンボ
語句割合
蜻蛉87.6%
蜻蜓5.9%
筋斗3.2%
蜻蜒1.1%
飜斗1.1%
翻筋斗0.5%
飜筋斗0.5%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
学者には兜虫のやうな沈着家おちつきや蜻蛉とんぼのやうなそそつかしやと二いろの型があるが、桑原氏はどちらかといへば蜻蛉の方である。
あれあれ見たか、あれ見たか、二つ蜻蛉とんぼが草の葉に、かやつり草に宿かりて……その唄を、工場で唱いましたってさ。唄が初路さんを殺したんです。
縷紅新草 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「親分、男なんざ入つた樣子はありませんね。それに此塀と來た日にや、まさか人間は潜られないが、バツタ、カマキリ、蝶々、蜻蛉とんぼは潜り放題だ」
岸に近く、浮草にすがりて、一羽の蜻蜓とんぼの尾を水面に上下するを見る。
層雲峡より大雪山へ (新字新仮名) / 大町桂月(著)
坩堝るつぼの底に熔けた白金のような色をしてそして蜻蜓とんぼの眼のようにクルクルと廻るように見える。
窮理日記 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
それに伴ひ玉蜀黍の茂つた葉の先やら、熟した其實を包む髯が絶えず動きそよいでゐて、大きな蜻蜓とんぼがそれにとまるかと見ればとまりかねて、飛んで行つたり飛んできたりしてゐる。
虫の声 (旧字旧仮名) / 永井荷風(著)
毛唐けとうの重役の随伴おともをしてブライトスター石油社オイルの超速自働艇モーターていに乗ると羽田沖で筋斗とんぼ返りを打たせるといった調子で、どこへ行っても泣きの涙の三りんぼう扱いにされているうちに、運よく神戸でエムプレス・チャイナ号のAクラス・ボーイに紛れ込んで知らん顔をして上海まで来た。
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
子供は今和尚の目の前へ筋斗とんぼがへりをした大きな鯉を指ざしながら言つた。
そして、あまり嬉しかったので、逆立ちをしたり筋斗とんぼ返りをしてお眼にかけた。
猿小僧 (新字新仮名) / 夢野久作萠円山人(著)
砲術盛んならぬ世には槍を貴び、何人槍付けたら鼈甲べっこう柄の槍を許すとか、本多平八の蜻蜒とんぼ切りなど名器も多く出で、『昭代記』に加藤忠広封を奪われた時、清正伝来の槍を堂の礎にあて折って武威のきたるを示したとある。
その前で藤八猿は独楽を持ったまま、綺麗に飜斗とんぼを切って見せた。
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
昨日富豪となり明日あす乞丐こじきとなる市井しせい投機児とうきじをして勝手に翻筋斗とんぼをきらしめよ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
さあ江戸っ子よ飜筋斗とんぼを切れ! おっとおっと花道じゃあねえ。
銅銭会事変 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)