トップ
>
蜻蜓
>
とんぼ
ふりがな文庫
“
蜻蜓
(
とんぼ
)” の例文
蜻蜓
(
とんぼ
)
や
蝉
(
せみ
)
が化し飛ぶに必ず草木を
攀
(
よ
)
じ、
蝙蝠
(
こうもり
)
は地面から
直
(
じか
)
に舞い上り能わぬから推して、仙人も足掛かりなしに飛び得ないと想うたのだ。
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
氏はまた
蜻蜓
(
とんぼ
)
をも
捕
(
と
)
る。蜻蜓は相場師と同じやうに
後方
(
うしろ
)
に目が無いので、尻つ尾の方から手出しをすると、
何時
(
いつ
)
でも捕へられる。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
蜻蜓
(
とんぼ
)
が足元からついと立って向うの小石の上へとまって目玉をぐるぐるとまわしてまた先の小石へ飛ぶ。小溝に
泥鰌
(
どじょう
)
が沈んで水が濁った。新屋敷の裏手へ廻る。
鴫つき
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
それがね、やっぱりその日なんです、事というと妙なもんで、何でもない時は東京中押廻したって、
蜻蜓
(
とんぼ
)
一疋ぶつかりこはねえんですが、幕があくと
一斉
(
いっとき
)
でさ。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それに伴ひ玉蜀黍の茂つた葉の先やら、熟した其實を包む髯が絶えず動き
戰
(
そよ
)
いでゐて、大きな
蜻蜓
(
とんぼ
)
がそれにとまるかと見ればとまりかねて、飛んで行つたり飛んできたりしてゐる。
虫の声
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
僕は裏庭の蔵の前で、
蜻蜓
(
とんぼ
)
の尻に糸を附けて飛ばせていた。花の一ぱい咲いている
百日紅
(
さるすべり
)
の木に、
蝉
(
せみ
)
が来て鳴き出した。覗いて見たが、高い処なので取れそうにない。そこへ勝が来た。
ヰタ・セクスアリス
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
毛氈苔
(
もうせんごけ
)
一面に生いて、石を踏み尽したる足の快さ言わん方なし。岸に近く、浮草にすがりて、一羽の
蜻蜓
(
とんぼ
)
の尾を水面に上下するを見る。卵を生むにや。
試
(
こころみ
)
に杖にて追いて見たるに、逃げむともせず。
層雲峡より大雪山へ
(新字新仮名)
/
大町桂月
(著)
「どうだい。
蜻蜓
(
とんぼ
)
。旨く飛べるかい。」
板ばさみ
(新字旧仮名)
/
オイゲン・チリコフ
(著)
坩堝
(
るつぼ
)
の底に熔けた白金のような色をしてそして
蜻蜓
(
とんぼ
)
の眼のようにクルクルと廻るように見える。
眩
(
まぶ
)
しくなって眼を庭の草へ移すと大きな黄色の斑点がいくつも見える。
窮理日記
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
英語で
蜻蜓
(
とんぼ
)
を
竜蠅
(
りょうばえ
)
(ドラゴン・フライ)と呼び、地方によりこの虫馬を
螫
(
さ
)
すと信じてホールス・スチンガール(馬を螫すもの)と唱う。そは虻や蠅を
吃
(
く
)
いに
馬厩
(
うまや
)
に近づくを見て
謬
(
あやま
)
り言うのだろう。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
蜻蜓
(
とんぼ
)
を捕えるのと同じ恰好の
叉手形
(
さでがた
)
の網で、しかもそれよりきわめて大形のを遠くから勢いよく投げかけて、冬田に下りている鴫を飛び立つ瞬間に捕獲する方法である。
鴫突き
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
蜻蜓
(
とんぼ
)
が傘にとまっていたのが
外
(
ほか
)
のとんぼと喰い合って小溝へ落ちそうにしてぷいと別れた。溝からの太陽の反射で顔がほてるような。要太郎はやはりねらいながら田を廻っている。
鴫つき
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
“蜻蜓”の意味
《名詞》
蜻 蜓(せいてい、とんぼ、やんま)
やんま。
(出典:Wiktionary)
“蜻蜓(ヤンマ)”の解説
ヤンマ(蜻蜓)はトンボ目不均翅亜目ヤンマ科(Aeshnidae)の昆虫の総称を指す。大概はヤンマといえばオニヤンマ科の昆虫も含む。広義にはエゾトンボ科やサナエトンボ科などの昆虫も含む。
(出典:Wikipedia)
蜻
漢検1級
部首:⾍
14画
蜓
漢検1級
部首:⾍
13画
“蜻蜓”で始まる語句
蜻蜓州
蜻蜓形