トップ
>
蜻蛉
>
とんぼう
ふりがな文庫
“
蜻蛉
(
とんぼう
)” の例文
久「
蜻蛉
(
とんぼう
)
の出る時分に
野良
(
のら
)
へ出て見ろ、
赤蜻蛉
(
あかとんぼ
)
が
彼方
(
あっち
)
へ
往
(
い
)
ったり
此方
(
こっち
)
へ往ったり、目まぐらしくって歩けねえからよ」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
白昼
(
まひる
)
の秋の日は荒れた草むらを薄白く照らして、赤い
蜻蛉
(
とんぼう
)
が二つ三つ飛んでいる。それを横眼にみながら彼は黙って俯向いていると、侍女どもは交るがわるに京の名所などを訊いた。
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
乱
(
みだれ
)
ある、魔に囲まれた今日の、日の城の黒雲を
穿
(
うが
)
った抜穴の岩に、足がかりを刻んだ様な、久能の石段の下へ着くと、茶店は皆ひしひしと真夜中のごとく戸を
鎖
(
とざ
)
して、
蜻蛉
(
とんぼう
)
も飛ばず。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
蜻蛉
(
とんぼう
)
は亡くなり
終
(
おわ
)
んぬ
鶏頭花
(
けいとうか
)
五百句
(新字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
蜻蛉
(
とんぼう
)
の来ては蝿とる笠の
中
(
うち
)
澄江堂雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
蝉や
蜻蛉
(
とんぼう
)
も沢山にいた。
蝙蝠
(
かわほり
)
の飛ぶのもしばしば見た。夏の夕暮には、子供が
草鞋
(
わらじ
)
を
提
(
さ
)
げて、「
蝙蝠
(
こうもり
)
来
(
こ
)
い」と呼びながら、
蝙蝠
(
かわほり
)
を追い廻していたものだが、今は蝙蝠の影など絶えて見ない。
思い出草
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
カチーリ/\と羽根を突くと云うと、むくれんじの玉の返る処が
蜻蛉
(
とんぼ
)
という虫に似て居りますから、
蜻蛉返
(
とんぼうがえ
)
りと云って、くる/\ッと返る、
蜻蛉
(
とんぼう
)
と云うものは蚊を
捕
(
と
)
り喰う虫だと云うので
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
あれは何だ、と学校でも先生様が叱らしゃりますそうなが、それで
留
(
や
)
めますほどならばの、学校へ
行
(
ゆ
)
く生徒に、
蜻蛉
(
とんぼう
)
釣るものも
居
(
お
)
りませねば、木登りをする小僧もない
筈
(
はず
)
——一向に留みませぬよ。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
稲
稔
(
みの
)
り
蜻蛉
(
とんぼう
)
つるみ子を背負ひ
六百五十句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
まことを言えば、お身たちは蜘蛛の巣にかかった蝶や
蜻蛉
(
とんぼう
)
も同じことで、こうなり果つるはしょせん逃がれぬ運と諦められい。われらはお身達を殺そうとこそすれ、決して救おうとは思わぬ。
小坂部姫
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
蜻蛉
(
とんぼう
)
の逆立ち
杭
(
くい
)
の笑ひをり
六百五十句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
我
(
われ
)
静
(
しずか
)
なれば
蜻蛉
(
とんぼう
)
来てとまる
五百五十句
(新字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
“蜻蛉”の意味
《名詞》
蜻 蛉(セイレイ)
(とんぼ、あきつ、あきづ; 熟字訓)トンボ目の昆虫の総称。詳細は とんぼ 参照。
(かげろう; 熟字訓)カゲロウ目の昆虫の総称。詳細は かげろう【蜉蝣】参照。
(出典:Wiktionary)
蜻
漢検1級
部首:⾍
14画
蛉
漢検1級
部首:⾍
11画
“蜻蛉”で始まる語句
蜻蛉返
蜻蛉島
蜻蛉玉
蜻蛉釣
蜻蛉日記
蜻蛉屋
蜻蛉洲
蜻蛉笠
蜻蛉羽
蜻蛉草