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螽蟖
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きりぎりす
ふりがな文庫
“
螽蟖
(
きりぎりす
)” の例文
六番の美男の東海さんは「
螽蟖
(
きりぎりす
)
みたいな、あんな女のどこが好いのだ。おい」と、ぼくの面をしげしげとのぞいて
尋
(
たず
)
ねます。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
丈
(
たけ
)
のびた雑草の緑にまじって、萩だの
女郎花
(
おみなえし
)
だの
桔梗
(
ききょう
)
だのの、秋草の花が咲いている、
飛蝗
(
ばった
)
や
螽蟖
(
きりぎりす
)
や
馬追
(
うまおい
)
などが、花や葉を分けて飛び
刎
(
は
)
ねている。
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
素晴らしい
小夜鳴鳥
(
ナイチンゲール
)
の唄がはげしく、響き高く、相呼応してわきおこり、それが疲れと、ものうさに声をひそめるかと思ふと、
螽蟖
(
きりぎりす
)
の翅を擦る音や
ディカーニカ近郷夜話 前篇:05 五月の夜(または水死女)
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
その笑い声が、あまり時ならぬものでしたから、びッくりしたのは、かんたんや
螽蟖
(
きりぎりす
)
ばかりではありません。野伏かなんぞのように、
芒
(
すすき
)
の根元へ身をかがめていた男が
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
冬にシベリヤの風を防ぐために、砂丘の腹は
茱萸
(
グミ
)
藪だった。日盛りに、
螽蟖
(
きりぎりす
)
が酔いどれていた。頂上から町の方へは、蝉の鳴き泌む松林が頭をゆすぶって流れた。私は茱萸藪の中に佇んでいた。
ふるさとに寄する讃歌:夢の総量は空気であった
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
▼ もっと見る
酒親し燈に来て鳴かぬ
螽蟖
(
きりぎりす
)
青べか日記:――吾が生活 し・さ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
その人声も、影も去って、山は元の
静寂
(
しじま
)
へ
回
(
かえ
)
った。どこかで、昼の
螽蟖
(
きりぎりす
)
が啼いていた。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
鶉や、
鴇
(
のがん
)
や、鴎や、さては、
螽蟖
(
きりぎりす
)
など無数の虫どもが、とりどりの声をあげて鳴き出し、はからずも渾然たる合奏をなして、何れもが束の間も休まうとしない。陽は落ちて地平の彼方に隠れる。
ディカーニカ近郷夜話 後篇:04 イワン・フョードロヸッチ・シュポーニカとその叔母
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
螽
漢検1級
部首:⾍
17画
蟖
部首:⾍
18画
“螽”で始まる語句
螽
螽斯
螽捕
螽花