“蠅(はひ)” の例文
「うるせえ、ちと彼方(あつち)へ行(い)つててくれ」と言(い)ひました。虻(あぶ)のやんちやん、そんなことは耳(みゝ)にもいれず、ますます蠅(はひ)などまで呼集(よびあつ)めて飛(と)び廻(まは)つてゐました。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
自分の頭にたかツた蠅(はひ)は、自分で逐ふさ。躓(つまづ)いたツて、倒れたツて、人は何でも自分の力で、自分の行く道を拓(ひら)いて行ツた方が、一番安心だ。それがまた生存(せいぞん)の意義にも適してゐるといふもんだ。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
この炎天(えんてん)にさらされて、行(ゆ)くこともならず、還(かへ)りもされず、むなしく、馬(うま)はのんだくれ の何時(いつ)だか知(し)れない眼覺(めざ)めをまつて尻尾(しつぽ)で虻(あぶ)や蠅(はひ)とたわむれながら、考(かんが)へました。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)