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整然
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きちん
ふりがな文庫
“
整然
(
きちん
)” の例文
地
(
じ
)
の透く髪を一筋
梳
(
すき
)
に
整然
(
きちん
)
と櫛を入れて、髯の
尖
(
さき
)
から小鼻へかけて、ぎらぎらと油ぎった処、いかにも内君が病身らしい。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
白地に濃い葡萄色の
矢絣
(
やがすり
)
の新しいセルの単衣に、帯は
平常
(
ふだん
)
のメリンス、その
整然
(
きちん
)
としたお太鼓が揺めく髪に隠れた。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
舞台で坐っているよりももっと
整然
(
きちん
)
とかしこまったままで、吉五郎や子分達がおもしろそうに飲んでいるのをまじまじと眺めていました。そのうちにどこかで一番鶏が歌い始める。
子供役者の死
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「ああ!」彼は早速それをひろげて、さっと一通り眼をとおしたが、そのあまりにも
整然
(
きちん
)
とした綺麗な出来ばえにびっくりした。「実に見事に書けておりますねえ。」と彼は言った。
死せる魂:02 または チチコフの遍歴 第一部 第二分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
箪笥の上には高価な指輪が二つと、ダイヤ入りのブローチが一つ、元のままに載っていて、陳列
玻璃
(
ガラス
)
函の中の骨董品にも手を触れた形跡がなく、
室
(
へや
)
の中は
整然
(
きちん
)
となっていたそうです。
ペルゴレーズ街の殺人事件
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
▼ もっと見る
やがて
愛
(
あい
)
ちやんは
整然
(
きちん
)
と
片付
(
かたづ
)
いた
小
(
ちひ
)
さな
部屋
(
へや
)
へ
行
(
ゆ
)
きました、
窓
(
まど
)
の
中
(
うち
)
には
洋卓
(
テーブル
)
もあり、
其上
(
そのうへ
)
には(
愛
(
あい
)
ちやんの
望
(
のぞ
)
み
通
(
どほ
)
り)一
本
(
ぽん
)
の
扇子
(
せんす
)
と二三の
小
(
ちひ
)
さな
白
(
しろ
)
い
山羊仔皮
(
キツド
)
の
手套
(
てぶくろ
)
とが
載
(
の
)
つてゐました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
ガラス戸の箱へ
入
(
いれ
)
た大きな人形だの、袋入りの琴だの、写真挟みだの、何だの
角
(
か
)
だの体裁よく
列
(
なら
)
べてあって、留守の
中
(
うち
)
は
整然
(
きちん
)
と片附いているけれど、帰って来ると、書物を
出放
(
だしばな
)
しにしたり
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
何かと家のなかの物を
整然
(
きちん
)
と取り片づけ、小ざつぱりさせて置いた。
氷島の漁夫:01 氷島の漁夫
(旧字旧仮名)
/
ピエール・ロティ
(著)
シカモ余り広くはなかったが、
木口
(
きぐち
)
を選んだシッカリした普請で、家財道具も小奇麗に
整然
(
きちん
)
と行届いていた。親子三人ぎりの家族で、誰が目にも窮しているどころか、むしろ気楽そうに見えていた。
二葉亭四迷の一生
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
此處
(
こゝ
)
で
整然
(
きちん
)
として
腰
(
こし
)
を
掛
(
か
)
けて、
外套
(
ぐわいたう
)
の
袖
(
そで
)
を
合
(
あは
)
せて、
一
(
ひと
)
つ
下腹
(
したつぱら
)
で
落着
(
おちつ
)
いた
氣
(
き
)
が、だらしもなく
續
(
つゞ
)
けざまに
噎
(
む
)
せ
返
(
かへ
)
つた。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
真黒
(
まつくろ
)
に煤びた屋根裏が見える、壁側に積重ねた布団には白い毛布が
被
(
かか
)
つて、
其
(
それ
)
に並んだ箪笥の上に、枕時計やら鏡台やら、
種々
(
いろん
)
な手廻りの物が
整然
(
きちん
)
と列べられた。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
二、三
間
(
げん
)
あいを置いて、おなじような
浴衣
(
ゆかた
)
を着た、帯を
整然
(
きちん
)
と結んだ、女中と見えるのが附いて通りましたよ。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
漸々
(
やう/\
)
開園式が濟んだ許りの、文明的な、
整然
(
きちん
)
とした、別に俗氣のない、そして
依然
(
やはり
)
昔と同じ美しい遠景を備へた此新公園が、少からず自分の氣に入つたからである。
葬列
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
と、肩に
斜
(
ななめ
)
なその紫包を、胸でといた端もきれいに、片手で捧げた
肱
(
ひじ
)
に
靡
(
なび
)
いて、
衣紋
(
えもん
)
も
褄
(
つま
)
も
整然
(
きちん
)
とした。
開扉一妖帖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
漸々
(
やうやう
)
開園式が済んだ許りの、文明的な、
整然
(
きちん
)
とした、別に俗気のない、そして
依然
(
やはり
)
昔と同じ美しい遠景を備へた此新公園が、少からず自分の気に入つたからである。
葬列
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
この女は、主税が
整然
(
きちん
)
としているのを、気の毒がるより、むしろ自分の方が、為に窮屈を感ずるので。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
辛
(
やつ
)
と
少許
(
すこし
)
入口の
扉
(
と
)
を開けては、
種々
(
いろん
)
な道具の
整然
(
きちん
)
と列べられた
室
(
へや
)
の中を覗いたものだ。
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
と
胡坐
(
あぐら
)
を
整然
(
きちん
)
と直して、ここで十万軒が崖にごつごつをぶち
開
(
ま
)
けたが、「そうでござんすとも、東京からいらしったんでは。」ために
勢
(
いきおい
)
が
挫
(
くじ
)
けたそうで、また胡坐で
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
なるべくは、銘々それぞれの収入も、一番の姉が三百円なら、次が二百五十円、次が二百円、次が百五十円、末が百円といった工合に長幼の等差を
整然
(
きちん
)
と附けたいというわけだ。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
一ツ曲って突当りに、
檜造
(
ひのきづく
)
りの玄関が
整然
(
きちん
)
と
真四角
(
まっしかく
)
に控えたが、娘はそれへは向わないで、あゆみの
花崗石
(
みかげいし
)
を左へ放れた、おもてから折まわしの土塀の
半
(
なかば
)
に、アーチ形の木戸がある。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
出家は
頷
(
うなず
)
くようにして、机の前に座を斜めに
整然
(
きちん
)
と坐り
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“整然”の意味
《名詞》
整然(せいぜん)
正しく整っていること。
(出典:Wiktionary)
整
常用漢字
小3
部首:⽁
16画
然
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
“整”で始まる語句
整
整頓
整理
整々
整備
整理緊縮
整列
整理掛
整骨醫
整理棚