トップ
>
端正
>
きちん
ふりがな文庫
“
端正
(
きちん
)” の例文
姉の円髷ばかり、
端正
(
きちん
)
として、
通
(
とおり
)
を隔てて
向合
(
むかいあ
)
ったので、これは弱った——
目顔
(
めがお
)
で
串戯
(
じょうだん
)
も言えない。
甲乙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
羽織はなしに居ずまいも
端正
(
きちん
)
としたのを、仕事場の机のわきへ据えた処で、……おなじ年ごろの家内が、
糠味噌
(
ぬかみそ
)
いじりの、
襷
(
たすき
)
をはずして、渋茶を振舞ってみた処で、近所の
鮨
(
すし
)
を取った処で
白花の朝顔
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
一目見ても知れる、濃い紫の
紋着
(
もんつき
)
で、白襟、
緋
(
ひ
)
の
長襦袢
(
ながじゅばん
)
。水の垂りそうな、しかしその貞淑を思わせる初々しい、高等な高島田に、鼈甲を
端正
(
きちん
)
と堅く挿した
風采
(
とりなり
)
は、桃の小道を
駕籠
(
かご
)
で
遣
(
や
)
りたい。
革鞄の怪
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
……由紀は仏間に一人、蚊帳に起きて
端正
(
きちん
)
と坐って、そして目をつぶって、さきから俯向いて一人居たのだそうですが、二階の暗がりに、その有様が、下の奥から、
歴々
(
ありあり
)
と透いて見えたのですから。
甲乙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
端
常用漢字
中学
部首:⽴
14画
正
常用漢字
小1
部首:⽌
5画
“端”で始まる語句
端
端折
端書
端緒
端唄
端然
端近
端々
端居
端倪