“土埃”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
つちぼこり43.9%
つちほこり34.1%
ほこり12.2%
つちぼこ7.3%
つちほこ2.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
女狩右源太は、ぼこぼこ土埃つちぼこりの立つ街道を、俯きながらゆるゆると歩いていた。足は、南部の方へ向いていたが心はそれと、一緒ではなかった。
三人の相馬大作 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
十日あまり照り續いた往來の土埃つちほこりを、少々長刀なぎなたになつた麻裏草履に蹴飛ばして、そのまゝ拭き込んだ上がりかまちに飛び上がるのですから
少し風が出て、土埃ほこりを捲き上げる。看板ががたがた鳴る。天下堂の前の人道を歩きながら、大村が「電車ですか」と問うた。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
『さア行かう。』と、小池はお光の買つた物を知らうとするのをあきらめて、さつさと歩き出した。灰のやうな土埃つちぼこりが煙の如く足元から立つた。
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
あの地震を体験し下谷の方から吹上げて来る土埃つちほこりの臭をいで大火を予想し東照宮の石燈籠のあの象棋倒しを眼前に見ても
震災日記より (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)