土埃つちぼこ)” の例文
『さア行かう。』と、小池はお光の買つた物を知らうとするのをあきらめて、さつさと歩き出した。灰のやうな土埃つちぼこりが煙の如く足元から立つた。
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
このあたりは粒子りゅうしこまかい土埃つちぼこりの道でなければ、よしや水草の多い沼地であった。わだちもひづめも没してしまう。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
どんなものがず生えて来るか、見ようと思って空地にして置いたのだが、あまり土埃つちぼこりが立つというので芝を張った。そうするとその隙間から顔を出したのが、隣の地面からの根笹の芽であった。