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土埃
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つちほこり
ふりがな文庫
“
土埃
(
つちほこり
)” の例文
十日あまり照り續いた往來の
土埃
(
つちほこり
)
を、少々
長刀
(
なぎなた
)
になつた麻裏草履に蹴飛ばして、そのまゝ拭き込んだ上がり
框
(
かまち
)
に飛び上がるのですから
銭形平次捕物控:184 御時計師
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
次郎を抱き起こしたお浜は、
土埃
(
つちほこり
)
にまみれた彼の鼻と唇のあたりに、ほんの僅かではあったが血がにじんでいるのを見つけたのである。
次郎物語:01 第一部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
私の
眼前
(
めのまえ
)
には
胡麻塩
(
ごましお
)
頭の父と十四五ばかりに成る子とが互に長い
槌
(
つち
)
を振上げて
籾
(
もみ
)
を打った。その音がトントンと地に響いて、白い
土埃
(
つちほこり
)
が立ち上った。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
長安で北支那の
土埃
(
つちほこり
)
をかぶって、濁った水を飲んでいた男が台州に来て中央支那の肥えた土を踏み、澄んだ水を飲むことになったので、上機嫌である。
寒山拾得
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
おん
主
(
あるじ
)
、大いなる
御威光
(
ごいこう
)
、大いなる
御威勢
(
ごいせい
)
を以て
天下
(
あまくだ
)
り給い、
土埃
(
つちほこり
)
になりたる人々の
色身
(
しきしん
)
を、もとの
霊魂
(
アニマ
)
に
併
(
あわ
)
せてよみ返し給い、善人は天上の
快楽
(
けらく
)
を受け
おぎん
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
家垣のひともと
木槿
(
むくげ
)
光
發
(
さ
)
し開くただちを
土埃
(
つちほこり
)
來
(
く
)
る
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
これは車の輪の跡です! 保吉は
呆気
(
あっけ
)
にとられたまま、
土埃
(
つちほこり
)
の中に断続した二すじの線を見まもった。同時に大沙漠の空想などは
蜃気楼
(
しんきろう
)
のように消滅した。
少年
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
安五郎とお竹が
逢引
(
あひびき
)
してゐる僅かの隙にお咲の部屋に忍び込んで、あんな
虐
(
むご
)
たらしいことをし、それから喜三郎の寢卷を
土埃
(
つちほこり
)
と
煤
(
すゝ
)
で汚して置いたんだらう。
銭形平次捕物控:161 酒屋忠僕
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
さて
閭
(
りよ
)
が
台州
(
たいしう
)
に
著任
(
ちやくにん
)
してから三
日目
(
かめ
)
になつた。
長安
(
ちやうあん
)
で
北支那
(
きたしな
)
の
土埃
(
つちほこり
)
を
被
(
かぶ
)
つて、
濁
(
にご
)
つた
水
(
みづ
)
を
飮
(
の
)
んでゐた
男
(
をとこ
)
が
台州
(
たいしう
)
に
來
(
き
)
て
中央支那
(
ちゆうあうしな
)
の
肥
(
こ
)
えた
土
(
つち
)
を
踏
(
ふ
)
み、
澄
(
す
)
んだ
水
(
みづ
)
を
飮
(
の
)
むことになつたので、
上機嫌
(
じやうきげん
)
である。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
家垣のひともと
木槿
(
むくげ
)
光
発
(
さ
)
し開くただちを
土埃
(
つちほこり
)
来
(
く
)
る
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
つうや(保吉は彼女をこう呼んでいた)は彼を顧みながら、人通りの少い道の上を
指
(
ゆびさ
)
した。
土埃
(
つちほこり
)
の乾いた道の上にはかなり太い線が一すじ、薄うすと向うへ走っている。
少年
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
平次は彦兵衞を起してやつて、その胸から膝へ一面に附いた
土埃
(
つちほこり
)
を拂つてやりました。
銭形平次捕物控:075 巾着切の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
つうやは前のように道の上を
指
(
ゆびさ
)
した。なるほど同じくらい太い線が三尺ばかりの距離を置いたまま、
土埃
(
つちほこり
)
の道を走っている。保吉は厳粛に考えて見た
後
(
のち
)
、とうとうその答を発明した。
少年
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「いや、變る道理がない。眼の前で黒助が拾つて、
土埃
(
つちほこり
)
を拂つて渡してくれたのだ」
銭形平次捕物控:022 名馬罪あり
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
額には人の目につく赤い
痣
(
あざ
)
があり、虫喰ひ頭は藁しべで結ひ上げて、朝のせゐかひどくは
土埃
(
つちほこり
)
も被つては居りません、
身扮
(
みなり
)
も乞食にしては見られる方、右足を昆布卷にして、身近には二本の杖を置き
銭形平次捕物控:254 茶汲み四人娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「牡丹刷毛だよ。うんと
土埃
(
つちほこり
)
が付いてゐるが——」
銭形平次捕物控:314 美少年国
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
土
常用漢字
小1
部首:⼟
3画
埃
漢検1級
部首:⼟
10画
“土”で始まる語句
土産
土
土地
土塀
土間
土器
土手
土瓶
土堤
土耳古