“くさび”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
86.6%
楔子9.0%
1.5%
1.5%
1.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
銅箱の底に銅のくさびをつけてその楔の先端に霜の結晶を作るようにして、その結晶を箱の外から焦点距離の長い顕微鏡で覗くことにした。
(新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
二つの溪の間へ楔子くさびのように立っている山と、前方を屏風びょうぶのようにふさいでいる山との間には、一つの溪をその上流へかけて十二単衣ひとえのような山褶やまひだが交互に重なっていた。
蒼穹 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
と、くさびをさしぬ。
元日の釣 (新字旧仮名) / 石井研堂(著)
「今朝、お嬢様のお部屋のバルコニーの欄干のくさびが抜けて、お嬢様がいつものようにもたれれば、すぐ外れるようになっていたのを御存じでございますか」
水中の宮殿 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
頭が禿げるまで忘れぬほどに思い込んだことも、一ツ二ツとくさびけたりれたりして車がくなって行くように、だんだん消ゆるに近づくというは、はて恐ろしい月日の力だ。
太郎坊 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)