“ぶすま”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
50.0%
50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
スッポリ雪の厚ぶすまを着せられて、おかげで烈しい寒風はのがれるかわり、ありがたいお天道さまも直かには拝めず、ずいぶん淋しいといえば淋しいけれど、時おりは
ある偃松の独白 (新字新仮名) / 中村清太郎(著)
頑固な気性がつひした借金の負目おひめとなつて、釜貞は、一月二月と経つうちに、破れ障子破れぶすまの夜寒に思案もなく、有る程のものを悉く売り尽して露の命を細〻と繋いでゐたが
名工出世譚 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
残んの雪ぶすまをはねのけて起き上ると、まず、長い重圧で硬直している肢体を、身にしみじみと温かい陽光に、やわらげほぐし、しどけなく寝みだれたもつれ髪を、南風に櫛けずり
ある偃松の独白 (新字新仮名) / 中村清太郎(著)
と、徳利をつかんだまま、よろよろと、立ちあがると、ガタピシとぶすまをあけ立てして、庫裡くりの戸棚の中の、ぶたね上げる。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
茶の間へはいって、押入れの破れぶすまをあけると、押入れのなかもほこりだらけになっていたが、下の板の間には隅々だけを残して、他に埃のあとが見えない。
半七捕物帳:60 青山の仇討 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)