“ふすま”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:フスマ
語句割合
85.0%
13.2%
襖子0.5%
紙門0.3%
0.3%
紙襖0.2%
襖紙0.2%
銀襖0.2%
麦糠0.2%
0.2%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
人間豹は倒れ伏した文代さんに顔を向けたまま、ニタニタ薄気味わるく笑いながら、横歩きに押入れの前に近づくと、そのふすまをガラリとひらいた。
人間豹 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
忽ち女の足音が、ふすまの外まで聞こえて来たが、颯と開いたその向こうから、美しい若い処女らしい、一人の女が髪を乱し、幽霊のように現われた。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
と、どなりつけたりすると、自分で押入れのふすまをあけ、のこのこと先に入りこんでしまう。これではさすがの旦那も始末に困ってしまうのである。
南方郵信 (新字新仮名) / 中村地平(著)
旅宿やど三浦屋みうらやと云うに定めけるに、ふすまかたくしてはだに妙ならず、戸は風りてゆめさめやすし。
突貫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
かなり待った。そして三左衛門が来た。着替えをし、袴をはいていた。菊千代が夜具の上に起きなおると、松尾が背へふすまを掛け、髪へくしを入れた。
菊千代抄 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
二十人もが刀を抜きつれていることは、前とすこしも変りはないけれども、眼を閉じる前にはなかったすさまじい殺気が、刀のふすまの間に生じている。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
晨は襖子ふすまにもたれて立つて居る。滿は縁側へ箱を持ち出して夏子にけて貰つて居る。
帰つてから (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
折から紙門ふすまを開きけるをと貫一のみむかふる目前めさきに、二人の紳士は徐々しづしづ入来いりきたりぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
馬鈴薯じゃがいも甘藷かんしょ胡羅蔔にんじん雪花菜ゆきやさいふすまわら生草なまくさ、それから食パンだとか、牛乳、うさぎとり馬肉ばにく、魚類など、トラックに満載まんさいされてきますよ」
爬虫館事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
トお政は又もお勢を尻目に懸ける。折しも紙襖ふすま一ツ隔ててお鍋の声として、
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「はい、お師匠さまは、筆まめではいらっしゃいましたが、一つも世に残そうなんていうおつもりはなかったようで、反古ほごはそばから紙衣かみこや何かに使ってしまい、残っている物といえば、もとの草庵の壁やら襖紙ふすまった古反古ふるほごがあるぐらいでしかございませぬ」
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
蘭灯らんとう暗く室をらし、閉め切った銀襖ふすまの銀箔も朦朧もうろうとして影暗く、廊下を隔てた中庭の、竹の林のほとりからザワザワと聞こえる風の音さえ、深更だけに物凄い。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
詰りきった暮しをしているところへ、天保四年の飢饉のたたりで水のような粥にも事欠くようになり、大方は米糠や麦糠ふすまを糧にし、対屋の梁を伝う、やまかがしや青大将はご馳走のうちで、荘園の上りを持たぬ官務や神祇官は
奥の海 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
此の災難な虫の繁殖は、吾々の葡萄園が台なしになる前ぶれだ。或る虫は、小麦の粒を十分其の宿り場所にする程小さい。その虫は吾々の穀倉を荒らしてふすまだけを残す。他の虫はまたむらさきうまごやしの若草を草刈り手が何んにも刈るものを見当らない程すつかり食べてしまふ。