“蘭灯”の読み方と例文
旧字:蘭燈
読み方割合
らんとう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
蘭灯らんとう暗く室をらし、閉め切った銀襖ふすまの銀箔も朦朧もうろうとして影暗く、廊下を隔てた中庭の、竹の林のほとりからザワザワと聞こえる風の音さえ、深更だけに物凄い。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
山の端近く残っていた十三夜の月は、薄絹に包まれた蘭灯らんとうのような光を投げて、平凡な桂川の谷を一幅の画に仕上げた。初秋風が晴れた空からそよそよと吹き下して来るらしい。
奥秩父の山旅日記 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
老人の言葉の終らぬうち、へやに置いてある蘭灯らんとう火影ほかげが、見る見る中に暗くなった。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)