“らんとう”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ラントウ
語句割合
蘭燈52.4%
乱闘14.3%
卵塔14.3%
蘭灯9.5%
乱刀4.8%
欄頭4.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
二つの灯りのうち、小さい寝室の蘭燈らんとうだけを残して、閻婆えんばはふッと灯を吹き消し、やがてコトコト階下へ沈んでしまった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
空にっては雲にかくれた。——やがて、そのすばらしい雄姿をのあたりに見せてきたと思うと、伊那丸いなまると五人の男の乱闘らんとうのなかを、さっと二、三ど、地をかすってけりまわった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
代々の住職の墓の並んでいる、若葉の樹々に囲まれた一画で、卵塔らんとう型の大きな墓石はまだ新しかった。……又四郎はその前へいって立ち、おじぎをして、ちょっと笑っていった。
百足ちがい (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
山の端近く残っていた十三夜の月は、薄絹に包まれた蘭灯らんとうのような光を投げて、平凡な桂川の谷を一幅の画に仕上げた。初秋風が晴れた空からそよそよと吹き下して来るらしい。
奥秩父の山旅日記 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
ために、身は乱刀らんとう雨下うかに寸断せられたが、心の独立はついにおかされなかった。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
黄金こがね織作おりなせるうすものにも似たるうるはしき日影をかうむりて、万斛ばんこくの珠を鳴す谷間の清韻を楽みつつ、欄頭らんとうの山を枕に恍惚こうこつとして消ゆらんやうに覚えたりし貫一は、急遽あわただし跫音あしおとの廊下をうごかきたるにおどろかされて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)