襖子ふすま)” の例文
其れからたヽみの破れを新聞で張つた、はしらゆがんだ居間ゐまを二つとほつて、横手の光琳の梅を書いたふるぼけた大きい襖子ふすまを開けると十畳敷許の内陣ないぢん
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
八頭やつがしらの芋を洗ふやうにお照は榮子の頭を畳にりつけりつけして、そして茶の間へ出て襖子ふすまを閉めてしまつた。
帰つてから (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
立ち去ろうとする時に、源氏は西側の襖子ふすまをあけて夫人の居間へはいって来た。
源氏物語:28 野分 (新字新仮名) / 紫式部(著)
晨は襖子ふすまにもたれて立つて居る。滿は縁側へ箱を持ち出して夏子にけて貰つて居る。
帰つてから (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)