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紙門
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ふすま
ふりがな文庫
“
紙門
(
ふすま
)” の例文
はや足音は次の間に
来
(
きた
)
りぬ。母は
慌
(
あわ
)
てて出迎に
起
(
た
)
てば、一足遅れに
紙門
(
ふすま
)
は外より開れて
主
(
あるじ
)
直行の高く幅たき
躯
(
からだ
)
は
岸然
(
のつそり
)
とお峯の
肩越
(
かたごし
)
に
顕
(
あらは
)
れぬ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
要もないに明て見て何か探す容子、
箱丁
(
はこや
)
がそっと入れて行った三味線は、棹を継れたまゝ座敷境の
紙門
(
ふすま
)
の下へ
片寄
(
かたよせ
)
られ、客も芸妓も居るか居ないか疑われるほどの静かさであった。
油地獄
(新字新仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
唯
(
と
)
見る間に
出行
(
いでゆ
)
く貫一、
咄嗟
(
あなや
)
、
紙門
(
ふすま
)
は鉄壁よりも堅く
閉
(
た
)
てられたり。宮はその心に
張充
(
はりつ
)
めし望を失ひてはたと
領伏
(
ひれふ
)
しぬ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「飯を、飯を!」と
婢
(
をんな
)
を
叱
(
しつ
)
して、
颯
(
さ
)
と奥の間の
紙門
(
ふすま
)
を
排
(
ひら
)
けば、何ぞ図らん
燈火
(
ともしび
)
の前に人の影在り。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
紙
常用漢字
小2
部首:⽷
10画
門
常用漢字
小2
部首:⾨
8画
“紙門”で始まる語句
紙門越