“箱丁”の読み方と例文
読み方割合
はこや100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
貞之進は貰うのが何か訳分らずに首肯うなずいて居ると、名ざしの事なり貰えと云うからは、お馴染のことゝ婢は呑込んで、すぐに向河岸へ箱丁はこやを走らせた。
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
それにはすれ違う芸妓げいしゃでも箱丁はこやでも一人として知った顔がなく、一人として天下の西巻金平を問題にするものがありません。——みんな知らん顔でそばを通って行きます。
春泥 (新字新仮名) / 久保田万太郎(著)
箱丁はこやのパッチが、汗を拭き拭き、亥歳にちなんで盲目滅法に飛んで行く、まだ宵の口の金春町。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)