「二十三年前に盗んだ御用金三千両は、浜町河岸の石置場、百貫あまりの御影石の下だ——左の小さい楔を取ると、子供にも取出せる」
銅箱の底に銅の楔をつけてその楔の先端に霜の結晶を作るようにして、その結晶を箱の外から焦点距離の長い顕微鏡で覗くことにした。
と、そうも思われたけれども、何より楔のように打ち込まれた、逢痴の声と血潮の失踪とが、それを根底から否定してしまうのだった。
「だがむろん、一ノ関の手はゆるみはしない、藩ぜんたいがよろこび祝っているうちにも、一ノ関は隙へ隙へと楔を打っていた」
“楔(くさび)”の解説
くさび(楔)とは、堅い木材や金属で作られたV字形または三角形の道具。
一端を厚く、もう一端に向かってだんだん薄くなるように作られている。隙間に打ち込むための形状である。その用途として、
隙間を広げて物を割る
物と物とが離れないように周囲から圧迫する
というまったく逆のような目的がある。
また、奄美大島などで使われているチヂンという太鼓には外周に多数のくさびを配してあり、くさびを叩くことで皮に結ばれた紐が引かれて締まり、皮を強く張り、音が高くなるようになっている。
修辞技法としては、割る意味で用いられることが多く、例えば、仲の良い両者の関係を悪くするような場合に「二人の間にくさびを打ち込む」などと使われる。しかし、くさびを打つことには接合を強固にするという目的もあり、この意味で用いられている場合は正反対のことになる。
(出典:Wikipedia)
一端を厚く、もう一端に向かってだんだん薄くなるように作られている。隙間に打ち込むための形状である。その用途として、
というまったく逆のような目的がある。
また、奄美大島などで使われているチヂンという太鼓には外周に多数のくさびを配してあり、くさびを叩くことで皮に結ばれた紐が引かれて締まり、皮を強く張り、音が高くなるようになっている。
修辞技法としては、割る意味で用いられることが多く、例えば、仲の良い両者の関係を悪くするような場合に「二人の間にくさびを打ち込む」などと使われる。しかし、くさびを打つことには接合を強固にするという目的もあり、この意味で用いられている場合は正反対のことになる。
(出典:Wikipedia)