あを)” の例文
広庭の所々には、新しく打つたらしい杭の上に五斛納釜ごくなふがまを五つ六つ、かけ連ねて、白い布のあをを着た若い下司女げすをんなが、何十人となく、そのまはりに動いてゐる。
芋粥 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
下人げにんは七段ある石段の一番上のだんあらひざらしたこんあをの尻を据ゑて、右の頬に出來た、大きな面皰にきびを氣にしながら、ぼんやり、あめのふるのをながめてゐるのである。
羅生門 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)