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はしため
ふりがな文庫
“
婢
(
はしため
)” の例文
こたびの道づれは
婢
(
はしため
)
一人のみ。例の男仲間は一人だになし。かく膽太く羅馬拿破里の間を
往來
(
ゆきき
)
する女はあらぬならん、
奈何
(
いかに
)
などいへり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
猫はもう
婢
(
はしため
)
たちの方へは寄りつきもせず、いつも二人にばかり絡みついていて、物もきたなげなのは顔をそむけて食べようともしなかった。
姨捨
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
雪が降ったり
歇
(
や
)
んだりして、年が暮れかかった。
奴
(
やっこ
)
も
婢
(
はしため
)
も外に出る
為事
(
しごと
)
を止めて、家の中で働くことになった。安寿は糸を
紡
(
つむ
)
ぐ。厨子王は藁を
擣
(
う
)
つ。
山椒大夫
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
しかして神の
婢
(
はしため
)
を見よといふ言葉、あたかも蝋に
印影
(
かた
)
の
捺
(
お
)
さるゝごとくあざやかにその姿に
摺
(
す
)
られき 四三—四五
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
これは、その家の主人幼稚なるゆえ、
奴僕
(
ぬぼく
)
が塩、
味噌
(
みそ
)
、薪炭等を盗み取るに、下女、
婢
(
はしため
)
ども妨げになりしゆえ、早く起きざらんため、かくのごとくいいしとぞ。
迷信と宗教
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
▼ もっと見る
この観音の内にひそむヴィナスは、単に従順な慈悲の
婢
(
はしため
)
に過ぎぬ。この観音の像が感覚的な肉の美しさを閑却して、ただ瞑想の美しさにのみ人を引き入れるのはそのためである。
古寺巡礼
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
御者
(
ぎょしゃ
)
は
懶惰
(
ぶしゃう
)
な
婢
(
はしため
)
の
指頭
(
ゆびさき
)
から
發掘
(
ほじりだ
)
す
彼
(
か
)
の
圓蟲
(
まるむし
)
といふ
奴
(
やつ
)
の
半分
(
はんぶん
)
がたも
無
(
な
)
い
鼠裝束
(
ねずみしゃうぞく
)
の
小
(
ちひ
)
さい
羽蟲
(
はむし
)
、
車體
(
しゃたい
)
は
榛
(
はしばみ
)
の
實
(
み
)
の
殼
(
から
)
、それをば
太古
(
おほむかし
)
から
妖精
(
すだま
)
の
車工
(
くるまし
)
と
定
(
きま
)
ってゐる
栗鼠
(
りす
)
と
蠐螬
(
ぢむし
)
とが
製
(
つく
)
りをった。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
二度三度叫ぶのを聞きつけて若い
婢
(
はしため
)
が二人、
手燭
(
てしょく
)
を持って駈けつけて来た。
お美津簪
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「若党の三次、爺やの熊吉、それから
婢
(
はしため
)
が二人」
銭形平次捕物控:148 彦徳の面
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
そうして親達の手まえもあり、息子は、その京の女をおもてむき
婢
(
はしため
)
として伴れ戻らなければならなかった。
曠野
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
門に進みて
婢
(
はしため
)
に問へば、家にいますは夫人のみにて、
目覺
(
めざ
)
めて後は快くなれりとのたまへり。
間雜
(
つね
)
の客をばことわれと仰せられつれど、
檀那
(
だんな
)
は直ちに入り給ひても
宜
(
よろ
)
しからんとなり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
金で買った
婢
(
はしため
)
をあの人たちは殺しはしません。多分お前がいなくなったら、わたしを二人前働かせようとするでしょう。お前の教えてくれた木立ちの所で、わたしは柴をたくさん苅ります。
山椒大夫
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
こういう状態のなかで、靱負の唯一のたのみは
婢
(
はしため
)
のおかやであった。
日本婦道記:二十三年
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「若黨の三次、爺やの熊吉、それから
婢
(
はしため
)
が二人」
銭形平次捕物控:148 彦徳の面
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
他の
婢
(
はしため
)
と同様に、髪は巻きあげ、衣も粗末なのをまとってはいたが、その女は何処やら由緒ありそうに、いかにも哀れげに見えた。その女をはじめて見たときから、守の心はふしぎに動いた。
曠野
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
小屋を明ければ、
奴
(
やっこ
)
は奴、
婢
(
はしため
)
は婢の組に入るのである。
山椒大夫
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「おまえがいてお呉れだった時は、人目も見え、
婢
(
はしため
)
たちも多かったが、此頃というものは、殆ど人けが絶えて、一日じゅう人ごえもしない位だ。ほんとうに心細くって為様がない。こんな具合では、一体、おれ達はどうなるのだろうなあ」
姨捨
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
婢
漢検1級
部首:⼥
11画
“婢”を含む語句
下婢
婢女
奴婢
小婢
老婢
侍婢
婢奴
僕婢
楼婢
婢僕
婢妾
御伽婢子
婢共
伽婢子
家婢
少婢
樓婢
雑婢
旧婢
從婢
...