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婢
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ひ
ふりがな文庫
“
婢
(
ひ
)” の例文
何
(
なん
)
が
故
(
ゆえ
)
に
私宅教授
(
したくけふじゆ
)
の口がありても
錢取道
(
ぜにとるみち
)
を
考
(
かんが
)
へず、
下宿屋
(
げしゆくや
)
の
婢
(
ひ
)
に、
何
(
なに
)
を
爲
(
し
)
て
居
(
ゐ
)
ると
問
(
と
)
はれて
考
(
かんが
)
へる
事
(
こと
)
を
爲
(
し
)
て
居
(
ゐ
)
ると
驚
(
おどろ
)
かしたるや。
「罪と罰」の殺人罪
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
聟どのの家から大事に消えぬように持って来た
脂燭
(
ししょく
)
の
灯
(
ともし
)
を、すぐ婚家の
婢
(
ひ
)
が、その家の脂燭に移し
灯
(
とも
)
して、奥へかけこんでゆく。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
渠
(
かれ
)
は清川お通とて、親も兄弟もあらぬ
独身
(
ひとりみ
)
なるが、家を同じくする者とては、わずかに一
人
(
にん
)
の
老媼
(
おうな
)
あるのみ、これその
婢
(
ひ
)
なり。
妖僧記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
尤
(
もっと
)
も抽斎をして不平に堪えざらしめたのは、栄玄が庶子
苫
(
とま
)
を遇することの甚だ薄かったことである。苫は栄玄が
厨下
(
ちゅうか
)
の
婢
(
ひ
)
に生せた
女
(
むすめ
)
である。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
姉も妹も並んで一所に
額付
(
ぬかづ
)
いた……二人の白羽二重の
振袖
(
ふりそで
)
が、二人がなよやかな首を延べて身をかゞめようとするその拍子に、丸い
婢
(
ひ
)
の肩を滑つて
老主の一時期
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
▼ もっと見る
一
盗
(
とう
)
二
妾
(
しょう
)
三
婢
(
ひ
)
四
妻
(
さい
)
というて、盗み食いする味は、また別じゃというほどに、人の女房とても捨てたものではない。
藤十郎の恋
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
彼らの召し使いとしては、バティスティーヌ嬢と同年配のマグロアールという
婢
(
ひ
)
が一人いたきりだった。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
片岡中将は
去
(
さんぬ
)
る五月に遼東より凱旋しつ。一日浪子の主治医を招きて書斎に密談せしが、その翌々日より、浪子を伴ない、
婢
(
ひ
)
の幾を従えて、
飄然
(
ひょうぜん
)
として京都に来つ。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
ここの二階で毎朝寝巻のままで窓前にそびゆるガスアンシュタルトの円塔をながめながら
婢
(
ひ
)
のヘルミーナの持って来る熱いコーヒーを飲み香ばしいシュニッペルをかじった。
コーヒー哲学序説
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
縦
(
はな
)
して席間に周旋せしめ、番語で申し付くると俄に一
楪
(
はち
)
を捧げ至る、また番語で詈れば一碗を
易
(
か
)
えて来る、驚いて問うと答えて、
某
(
それがし
)
に
婢
(
ひ
)
あり、子を生んだが
弥月
(
びげつ
)
にして死んだ。
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
同月
(
どうげつ
)
十七
日
(
にち
)
、いよ/\
發掘
(
はつくつ
)
に
行
(
ゆ
)
く
事
(
こと
)
としたが
家人
(
かじん
)
も
其状態
(
そのじやうたい
)
が
見
(
み
)
たいといふので、
然
(
さ
)
らば
其用意
(
そのえうい
)
して
行
(
ゆ
)
くべしとて、
妻
(
さい
)
と
婢
(
ひ
)
とに
糧食
(
れうしよく
)
を
携
(
たづさ
)
へさせ、
余
(
よ
)
は
愛
(
あい
)
する
親族
(
しんぞく
)
の六
歳
(
さい
)
の
幼女
(
えうぢよ
)
を
背
(
せ
)
に
負
(
お
)
ひ
探検実記 地中の秘密:07 末吉の貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
婢
(
ひ
)
しづを、再び
屋内
(
をくない
)
に入り、
倉皇
(
さうくわう
)
比呂志を
抱
(
いだ
)
いて出づ。父
亦
(
また
)
庭を
回
(
めぐ
)
つて出づ。この
間
(
かん
)
家大いに動き、歩行甚だ自由ならず。
屋瓦
(
をくぐわ
)
の
乱墜
(
らんつゐ
)
するもの十余。大震漸く静まれば、風あり、
面
(
おもて
)
を吹いて過ぐ。
大正十二年九月一日の大震に際して
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
婢
(
ひ
)
あり別れを惜みて
伏水
(
ふしみ
)
に至る。兵士
環
(
めぐ
)
つて之を
視
(
み
)
る。南洲輿中より之を招き、其背を
拊
(
う
)
つて曰ふ、
好在
(
たつしや
)
なれと、金を
懷中
(
くわいちゆう
)
より出して之に與へ、
旁
(
かたは
)
ら人なき若し。兵士
太
(
はなは
)
だ其の情を
匿
(
かく
)
さざるに服す。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
婢
(
ひ
)
が書斎の六樹園の許に刺を通じて
仇討たれ戯作
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
手をたゝき
婢
(
ひ
)
を呼びづめや
風邪
(
かぜ
)
の妻
五百五十句
(新字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
父が北千住に居った時、家に一
婢
(
ひ
)
があった。
肥白
(
ひはく
)
にして愛想好く、挙止もまた都雅であった。然るにこの婢の言う所は、一々わたくし共兄弟姉妹の耳を驚かした。
細木香以
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
かくてこそ一家は円滑に、その営みはよく治まって参りますが、仮に、その家の主が、
奴
(
ぬ
)
ともなり
婢
(
ひ
)
ともなり、独りですべてをなそうとしたらどうなりましょう。
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
婢
(
ひ
)
下僕
(
げぼく
)
走り出迎へ花の荘
五百五十句
(新字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
たとえば、一家の営みを見ましても
奴婢
(
ぬひ
)
がおれば、
奴
(
ぬ
)
は出でて田を耕し、
婢
(
ひ
)
は内にあって
粟
(
あわ
)
を
炊
(
かし
)
ぐ。——鶏は
晨
(
あした
)
を告げ、犬は盗人の番をし、牛は重きを負い、馬は遠きに行く。
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そしてこれに飯を盛るに、
婢
(
ひ
)
をして盛らしむるときは、
過不及
(
かふきゅう
)
を免れぬといって、飯を小さい
櫃
(
ひつ
)
に取り分けさせ、櫃から椀に盛ることを、五百の役目にしていた。朝の
未醤汁
(
みそしる
)
も必ず二椀に限っていた。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
婢
漢検1級
部首:⼥
11画
“婢”を含む語句
下婢
婢女
奴婢
小婢
老婢
侍婢
婢奴
僕婢
楼婢
婢僕
婢妾
御伽婢子
婢共
伽婢子
家婢
少婢
樓婢
雑婢
旧婢
從婢
...