ちび)” の例文
……天井裏で声がして、十五六の当のちびは、どこからあらわれたか、すすつないで、その天井から振下ぶらさげたように、二階の廊下を、およそ眠いといった仏頂面で、ちょろりと来た。
菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
……抱妓かかえが五人とわけが二人、雛妓おしゃくが二人、それと台所とちびの同勢、蜀山しょくざんこつとして阿房宮、富士の霞に日の出のいきおい紅白粉べにおしろいが小溝にあふれて、羽目から友染がはみ出すばかり、芳町よしちょうぜん住居すまい
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)