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婢
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をんな
ふりがな文庫
“
婢
(
をんな
)” の例文
門
(
かど
)
の戸
引啓
(
ひきあ
)
けて、酔ひたる足音の土間に踏入りたるに、宮は何事とも分かず
唯慌
(
ただあわ
)
ててラムプを持ちて
出
(
い
)
でぬ。台所より
婢
(
をんな
)
も、
出合
(
いであ
)
へり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
私
(
わたし
)
はその癇高い
音
(
ね
)
を聞きながら、埃にまみれた草鞋の紐を解いた。其処へ
婢
(
をんな
)
が浅い
盥
(
たらひ
)
に、洗足の水を汲んで来た。水は冷たく澄んだ底に、粗い砂を沈めてゐた。
槍ヶ岳紀行
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
お吉の居ぬを不審して何所へと問へば、何方へか
一寸
(
ちよと
)
行て来るとてお出になりました、と何食はぬ顔で
婢
(
をんな
)
の答へ、
口禁
(
くちどめ
)
されてなりとは知らねば、応左様歟、よし/\
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
此
(
こ
)
の
奧
(
おく
)
に
住
(
す
)
める
人
(
ひと
)
の
使
(
つか
)
へる
婢
(
をんな
)
、やつちや
場
(
ば
)
に
青物
(
あをもの
)
買
(
か
)
ひに
出
(
い
)
づるに、いつも
高足駄
(
たかあしだ
)
穿
(
は
)
きて、なほ
爪先
(
つまさき
)
を
汚
(
よご
)
すぬかるみの、
特
(
こと
)
に
水溜
(
みづたまり
)
には、
蛭
(
ひる
)
も
泳
(
およ
)
ぐらんと
氣味惡
(
きみわる
)
きに、
唯
(
たゞ
)
一重
(
ひとへ
)
森
(
もり
)
を
出
(
い
)
づれば
森の紫陽花
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「あ、親分、そんな事は、
婢
(
をんな
)
にやらせて置けば宜いのに——危いなアどうも」
銭形平次捕物控:071 平次屠蘇機嫌
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
婢
(
をんな
)
きて
短歌集 日まはり
(旧字旧仮名)
/
三好達治
(著)
間
(
しばし
)
有りて
婢
(
をんな
)
どもの口々に
呼邀
(
よびむか
)
ふる声して、
入来
(
いりき
)
し客の、障子
越
(
ごし
)
なる隣室に案内されたる
気勢
(
けはひ
)
に、貫一はその
男女
(
なんによ
)
の二人
連
(
づれ
)
なるを知れり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
唯一筋の
唐七糸帯
(
からしゆつちん
)
は、お屋敷奉公せし叔母が
紀念
(
かたみ
)
と大切に
秘蔵
(
ひめ
)
たれど何か厭はむ手放すを、と何やら彼やら有たけ出して
婢
(
をんな
)
に包ませ、夫の帰らぬ其中と櫛
笄
(
かうがい
)
も手ばしこく小箱に纏めて
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
それから早速
草鞋
(
わらぢ
)
を脱ぎの、行燈を下げた
婢
(
をんな
)
と一しよに、二階座敷へせり上つたが、まづ一風呂暖まつて、何はともあれ
寒
(
さむ
)
さ
凌
(
しの
)
ぎと、
熱燗
(
あつかん
)
で二三杯きめ出すと、その越後屋重吉と云ふ野郎が
鼠小僧次郎吉
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
宮は奥より手ラムプを持ちて
入来
(
いりき
)
にけるが、机の上なる書燈を
点
(
とも
)
し
了
(
をは
)
れる時、
婢
(
をんな
)
は台十能に火を盛りたるを
持来
(
もちきた
)
れり。宮はこれを
火鉢
(
ひばち
)
に移して
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
婢
漢検1級
部首:⼥
11画
“婢”を含む語句
下婢
婢女
奴婢
小婢
老婢
侍婢
婢奴
僕婢
楼婢
婢僕
婢妾
御伽婢子
婢共
伽婢子
家婢
少婢
樓婢
雑婢
旧婢
從婢
...