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『槍ヶ岳紀行』
ふりがな文庫
『
槍ヶ岳紀行
(
やりがたけきこう
)
』
島々と云ふ町の宿屋へ着いたのは、午過ぎ——もう夕方に近い頃であつた。宿屋の上り框には、三十恰好の浴衣の男が、青竹の笛を鳴らしてゐた。 私はその癇高い音を聞きながら、埃にまみれた草鞋の紐を解いた。其処へ婢が浅い盥に、洗足の水を汲んで来た。水は …
著者
芥川竜之介
ジャンル
文学 > 日本文学 > 日記 書簡 紀行
初出
「改造」1920(大正9)年7月
文字種別
新字旧仮名
読書目安時間
約8分(500文字/分)
朗読目安時間
約13分(300文字/分)
作品に特徴的な語句
恰好
(
がつこう
)
蛇
(
ぢや
)
蝶
(
てう
)
婢
(
をんな
)
石鏃
(
やじり
)
沾
(
うる
)
露
(
あらは
)
徳本
(
とくがう
)
疎
(
まばら
)
雷鳥
(
らいてう
)
上
(
あが
)
堆
(
うづたか
)
盥
(
たらひ
)
徐
(
おもむろ
)
上州
(
じやうしう
)
偃
(
は
)
絶巓
(
ぜつてん
)
蒲田
(
がまた
)
梓川
(
あずさがは
)
榾
(
ほた
)
駒
(
こま
)
青猪
(
あをじし
)
目
(
め
)
礫
(
つぶて
)
私
(
わたし
)
羚羊
(
かもしか
)
蓙
(
ござ
)
馬陸
(
やすで
)
飛騨
(
ひだ
)
橡
(
とち
)
行燈
(
あんどん
)
赤沢
(
あかざわ
)
雁皮
(
がんぴ
)
音
(
ね
)
必
(
かならず
)
㠝岏
(
さんぐわん
)
五味
(
ごみ
)
動顛
(
どうてん
)
外
(
ほか
)
小島
(
こじま
)
山女
(
やまめ
)
山巓
(
さんてん
)
岨
(
そば
)
左手
(
ゆんで
)
御嶽
(
おんたけ
)
爪
(
つめ
)
括
(
くく
)
木曾
(
きそ
)
框
(
かまち
)
森々
(
しんしん
)
樅
(
もみ
)
ヶ嶽
(
たけ
)
炙
(
あぶ
)
烏水
(
うすい
)
焼嶽
(
やけだけ
)