“こしもと”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
侍女71.0%
腰元18.3%
3.2%
侍婢2.2%
1.1%
女婢1.1%
傅女1.1%
待女1.1%
腰本1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
きれいな侍女こしもとたちが三、四人、駕籠かごをはなれて腰をかがめた。伴天連——呂宋兵衛るそんべえと蚕婆は、もったいらしく、祈祷のひざをおこして
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
王子 兵卒へいそつ腰元こしもとった時は、確かに姿が隠れたのですがね。その証拠しょうこには誰に遇っても、とがめられた事がなかったのですから。
三つの宝 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
あのものをおあそばし、鸚鵡あうむなぞをお問合とひあはせなさいましては如何いかゞでせうか、とこしもとべたんです。
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
雨に悩める、露にうるほへる、いづれ艶なるおもむきならぬは無し。木瓜ぼけはこれの侍婢こしもとなりとかや。あら美しの姫君よ。人を迷ひに誘ふ無くば幸なり。
花のいろ/\ (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
七八人しちはちにんむらがりむに、おの/\つまたいしてならしてむつまじきことかぎりなし。かうけてみなわかとき令史れいしつまうまる。こしもとまたそのかめりけるが心着こゝろづいてさけんでいはく、かめなかひとあり。と。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
令史れいし堂前だうぜんまくなか潛伏せんぷくしてつ。二更にかういたりて、つまれいごとでむとして、フトこしもとうていはく、なにつてのあたりにいきたるひとあるや。これをくににては人臭ひとくさいぞとことなり。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
初更しよかういたるや、めるつまなよやかにきて、粉黛ふんたい盛粧せいしやう都雅とがきはめ、女婢こしもとをしてくだん駿馬しゆんめ引出ひきいださせ、くらきて階前かいぜんより飜然ひらりる。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
女婢こしもとしりへつゞいて、こはいかに、掃帚はうきまたがり、ハツオウとつて前後ぜんごして冉々ぜん/\としてくものぼつて姿すがたかくす。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
聞けば善光寺あたりからさる者の世話で、大隅家の一人娘の傅女こしもととして雇い入れたものという。……名は鶴菜つるなどの、左の唇のほとりに黒子ほくろがある。そしてどこやらあなたの面ざしにも似かようておる
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「何じゃ、待女こしもととは。」
茸の舞姫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
小侍たち六人が飛び出して来たその鶉席に傲然ごうぜんと陣取って、嘲笑あざわらうようにこちらを見眺めていた顔こそは、小芳がまだ曲輪にいた頃、梅甫とたびたび張り合った腰本こしもと治右じえ衛門なのです。