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こしもと
ふりがな文庫
“
腰元
(
こしもと
)” の例文
向う
前栽
(
せんざい
)
の
小縁
(
こえん
)
の端へ、千鳥と云ふ、其の
腰元
(
こしもと
)
の、濃い
紫
(
むらさき
)
の姿がちらりと見えると、もみぢの中をくる/\と、
鞠
(
まり
)
が乱れて飛んで
行
(
ゆ
)
く。
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
王子
兵卒
(
へいそつ
)
や
腰元
(
こしもと
)
に
遇
(
あ
)
った時は、確かに姿が隠れたのですがね。その
証拠
(
しょうこ
)
には誰に遇っても、
咎
(
とが
)
められた事がなかったのですから。
三つの宝
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
……そうして二、三度お逢いした後のある朝、いつも
供
(
とも
)
に連れておいでになる
腰元
(
こしもと
)
がまいりまして、何とも言わずに置いて行った
螺鈿
(
らでん
)
の小箱。
平賀源内捕物帳:萩寺の女
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
その
一
(
ひと
)
つは
私
(
わたくし
)
がまだ
実家
(
さと
)
に
居
(
い
)
た
頃
(
ころ
)
、
腰元
(
こしもと
)
のようにして
可愛
(
かわい
)
がって
居
(
い
)
た、
香織
(
かおり
)
という
一人
(
ひとり
)
の
女性
(
じょせい
)
との
会合
(
かいごう
)
の
物語
(
ものがたり
)
でございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
近付
(
ちかづけ
)
主税之助は
彌々
(
いよ/\
)
惡心
増長
(
ぞうちやう
)
して藤五郎の命は此節に至りて實に風前の
燈火
(
ともしび
)
よりも
猶
(
なほ
)
危
(
あや
)
ふけれども只
腰元
(
こしもと
)
のお島一人
密
(
ひそ
)
かに是を
勞
(
いたは
)
り漸々と命を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
きれいな
腰元
(
こしもと
)
たちは、歌をうたったり
踊
(
おど
)
りをおどったりしました。浦島はただもう
夢
(
ゆめ
)
のなかで夢を見ているようでした。
浦島太郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
夫人ですら、
凛々
(
りり
)
しく、奥仕えの
腰元
(
こしもと
)
たちを指図したり、用人達へ心得を
諭
(
さと
)
したり、自身は、良人の居間を片づけたりして、心の処理を保っているのに——。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
二つ
人形
(
にんぎょう
)
を
並
(
なら
)
べておくと、
赤
(
あか
)
いちりめんの
着物
(
きもの
)
を
着
(
き
)
たほうがお
嬢
(
じょう
)
さまに
見
(
み
)
えて、
紫
(
むらさき
)
のメリンスの
着物
(
きもの
)
を
着
(
き
)
たほうがなんとなく、
腰元
(
こしもと
)
のように
見
(
み
)
られたのでした。
気まぐれの人形師
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
琴をひいているのは上座の方にいる女の人で三味線は
島田
(
しまだ
)
に結った
腰元
(
こしもと
)
風の女中がひいておりました、それから
撿挍
(
けんぎょう
)
か遊芸の師匠らしい男がいてそれが胡弓をひいております
蘆刈
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
殿様が
恋慕
(
れんぼ
)
していた
腰元
(
こしもと
)
が不義をして、
対手
(
あいて
)
の若侍と並んで刑に処せられようとする三角恋愛に、悪びれずにお手打ちになろうとする女と、助かりたさと恐怖に、目の
眩
(
くら
)
んでいる若侍と
マダム貞奴
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
待
(
ま
)
てよ! あの
窓
(
まど
)
から
洩
(
も
)
るゝ
光明
(
あかり
)
は? あれは、
東方
(
ひがし
)
、なればヂュリエットは
太陽
(
たいやう
)
ぢゃ!……あゝ、
昇
(
のぼ
)
れ、
麗
(
うるは
)
しい
太陽
(
たいやう
)
よ、そして
嫉妬深
(
りんきぶか
)
い
月
(
つき
)
を
殺
(
ころ
)
せ、
彼奴
(
あいつ
)
は
腰元
(
こしもと
)
の
卿
(
そもじ
)
の
方
(
はう
)
が
美
(
うつく
)
しいのを
恨
(
くや
)
しがって
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
それと相対する向う側はカカ座、また
腰元
(
こしもと
)
ともたな元とも謂い、九州では
茶煮座
(
ちゃにざ
)
とも謂って、争う者のない
家刀自
(
いえとじ
)
の座席である。この夫婦の間にある一隅に、普通は
鍋敷
(
なべしき
)
があってここで
惣菜
(
そうざい
)
を煮た。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
しかし、十
和田
(
わだ
)
一
帯
(
たい
)
は、すべて
男性的
(
だんせいてき
)
である。
脂粉
(
しふん
)
の
気
(
き
)
の
少
(
すくな
)
い
処
(
ところ
)
だから、
此
(
こ
)
の
青
(
あを
)
い
燈籠
(
とうろう
)
を
携
(
たづさ
)
ふるのは、
腰元
(
こしもと
)
でない、
女
(
をんな
)
でない。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
好
(
よ
)
い
日和
(
ひより
)
の
折
(
おり
)
などには
私
(
わたくし
)
はよく二三の
腰元
(
こしもと
)
どもに
傅
(
かしずか
)
れて、
長谷
(
はせ
)
の
大仏
(
だいぶつ
)
、
江
(
え
)
の
島
(
しま
)
の
弁天
(
べんてん
)
などにお
詣
(
まい
)
りしたものでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
殘らず
呼出
(
よびいだ
)
し吟味に及びけれ共皆々一
向
(
かう
)
に知らざる
旨
(
むね
)
申ければ主税之助は
憤怒
(
いきどほり
)
是れ必らず
腰元
(
こしもと
)
お島の
手引
(
てびき
)
にて藤五郎兄弟を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
といって、玉手箱をこわきにかかえたまま、りゅう
宮
(
ぐう
)
の門を出ますと、
乙姫
(
おとひめ
)
さまは、またおおぜいの
腰元
(
こしもと
)
をつれて、門のそとまでお見送りになりました。
浦島太郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
三八夏は
蚊帳
(
かや
)
の代りにせし身を
腰元
(
こしもと
)
共に
床
(
とこ
)
を
扇
(
あふ
)
がせ、女房は又
姑
(
しうとめ
)
にあたへし
乳房
(
ちぶさ
)
を
虎屋
(
とらや
)
が
羊羹
(
やうかん
)
にしかへ、氷から
鯉
(
こひ
)
も古めかしと、水晶の
水舟
(
みづぶね
)
に朝鮮金魚を泳がせて楽しみ、
是
(
これ
)
至孝のいたす所なり。
案頭の書
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
私
(
わたくし
)
はそこで
忠実
(
ちゅうじつ
)
な
家来
(
けらい
)
や
腰元
(
こしもと
)
を
相手
(
あいて
)
に
余生
(
よせい
)
を
送
(
おく
)
り、そしてそこでさびしくこの
世
(
よ
)
の
気息
(
いき
)
を
引
(
ひ
)
き
取
(
と
)
ったのでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
初卯
(
はつう
)
の
日
(
ひ
)
、
母様
(
おつかさん
)
が
腰元
(
こしもと
)
を二人
連
(
つ
)
れて、
市
(
まち
)
の
卯辰
(
うたつ
)
の
方
(
はう
)
の
天神様
(
てんじんさま
)
へお
参
(
まゐ
)
ンなすつて、
晩方
(
ばんがた
)
帰
(
かへ
)
つて
居
(
ゐ
)
らつしやつた、ちやうど
川向
(
かはむか
)
ふの、いま
猿
(
さる
)
の
居
(
ゐ
)
る
処
(
ところ
)
で
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
童子
(
どうじ
)
はこういって、
大
(
おお
)
ぜいの
腰元
(
こしもと
)
や
家来
(
けらい
)
にいいつけて、
酒
(
さけ
)
さかなを
運
(
はこ
)
ばせました。
酒呑童子
(
しゅてんどうじ
)
はそれでもまだ
油断
(
ゆだん
)
なく、六
人
(
にん
)
の
山伏
(
やまぶし
)
を
試
(
ため
)
してみるつもりで
大江山
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
然
(
され
)
ば嘉川主税之助は
何卒
(
なにとぞ
)
して藤五郎を害せんと思ひ
新規
(
しんき
)
抱
(
かゝ
)
へ入れ
用役
(
ようやく
)
安間平左衞門と種々談合致しけるを
腰元
(
こしもと
)
お島此事を
竊
(
ひそか
)
に知りける故大いに打驚き早々此由を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
わたしは城の門をはいってから、兵卒にも
遇
(
あ
)
えば
腰元
(
こしもと
)
にも
遇
(
あ
)
った。が、誰も
咎
(
とが
)
めたものはない。このマントルさえ着ていれば、この
薔薇
(
ばら
)
を吹いている風のように、王女の部屋へもはいれるだろう。
三つの宝
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
たいや、ひらめやかれいや、いろいろのおさかなが、ものめずらしそうな目で見ているなかをとおって、はいって行きますと、
乙姫
(
おとひめ
)
さまがおおぜいの
腰元
(
こしもと
)
をつれて、お
迎
(
むか
)
えに出てきました。
浦島太郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
腰元
(
こしもと
)
が大ぜいで砂をまいている。
青年と死
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
“腰元(
侍女
)”の解説
侍女(じじょ、en: handmaid)は、貴人の側、王族・貴族または上流階級の婦人に個人的に仕えて雑用や身辺の世話をする女性である。小間使いの女、腰元とも言う。
(出典:Wikipedia)
腰
常用漢字
中学
部首:⾁
13画
元
常用漢字
小2
部首:⼉
4画
“腰元”で始まる語句
腰元衆
腰元用人
腰元妾奉公