迷付まごつ)” の例文
其努力ははしけから桟橋へ移る程らくではなかつた。ちがつた断面の甲に迷付まごついてゐるものが、急に乙に移るべく余儀なくされた様であつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
その努力ははしけから桟橋さんばしへ移る程楽ではなかった。食い違った断面の甲に迷付まごついているものが、急に乙に移るべく余儀なくされた様であった。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
煩悶はんもんきょくそこいらを迷付まごついている血がさかさにのぼるはずである。敵のはかりごとはなかなか巧妙と云うてよろしい。むか希臘ギリシャにイスキラスと云う作家があったそうだ。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)