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徘徊
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はいくわい
ふりがな文庫
“
徘徊
(
はいくわい
)” の例文
徘徊
(
はいくわい
)
し
廻
(
めぐ
)
り/\て
和歌山
(
わかやま
)
の平野村と云へる所に
到
(
いた
)
りける此平野村に
當山派
(
たうざんは
)
の
修驗
(
しゆけん
)
感應院
(
かんおうゐん
)
といふ
山伏
(
やまぶし
)
ありしが此人甚だ
世話好
(
せわずき
)
にて嘉傳次を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
藤木川
(
ふぢきがは
)
の岸を
徘徊
(
はいくわい
)
すれば、
孟宗
(
まうそう
)
は黄に、
梅花
(
ばいくわ
)
は白く、
春風
(
しゆんぷう
)
殆
(
ほとん
)
ど
面
(
おもて
)
を吹くが如し。
偶
(
たまたま
)
路傍の
大石
(
たいせき
)
に一匹の
蝿
(
はへ
)
のとまれるあり。
病中雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
然るに
生憎
(
あいにく
)
横井は腸を
傷
(
いた
)
めて、久しく出勤しなかつた。邸宅の辺を
徘徊
(
はいくわい
)
して
窺
(
うかゞ
)
ふに、大きい
文箱
(
ふばこ
)
を持つた
太政官
(
だじやうくわん
)
の使が
頻
(
しきり
)
に
往反
(
わうへん
)
するばかりである。
津下四郎左衛門
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
其
(
そ
)
の
日
(
ひ
)
も
巡査
(
じゆんさ
)
は
勘次
(
かんじ
)
の
家
(
いへ
)
のあたりを
徘徊
(
はいくわい
)
したがそれでも
其
(
そ
)
の
東隣
(
ひがしどなり
)
の
門
(
もん
)
を
叩
(
たゝ
)
いて
穿鑿
(
せんさく
)
するまでには
至
(
いた
)
らなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
阿弥陀
(
あみだ
)
に
戴
(
いただ
)
けるもの、或は椅子に掛かり、或は
床
(
とこ
)
に
踞
(
すわ
)
り、或は立つて
徘徊
(
はいくわい
)
す、印刷
出来
(
しゆつたい
)
を待つ
間
(
ま
)
の
徒然
(
つれづれ
)
に、機械の音と相競うての高談放笑なかなかに
賑
(
にぎ
)
はし
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
▼ もっと見る
うろ/\
徘徊
(
はいくわい
)
してゐる
人相
(
にんさう
)
の悪い
車夫
(
しやふ
)
が
一寸
(
ちよつと
)
風采
(
みなり
)
の
小綺麗
(
こぎれい
)
な通行人の
後
(
あと
)
に
煩
(
うるさ
)
く付き
纏
(
まと
)
つて乗車を
勧
(
すゝ
)
めてゐる。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
まだ
執念深
(
しゆうねんぶか
)
く
鐵車
(
てつしや
)
の
四邊
(
あたり
)
を
徘徊
(
はいくわい
)
して
居
(
を
)
るのは、二十
頭
(
とう
)
許
(
ばかり
)
の
雄獅子
(
をじゝ
)
と、
三頭
(
さんとう
)
の
巨大
(
きよだい
)
なる
猛狒
(
ゴリラ
)
とのみであつた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
外観の配色は柔かい白と緑とより成り、何となく木造の感を
起
(
おこ
)
させるが
凡
(
すべ
)
て石造だ。
其
(
その
)
左側
(
さそく
)
の鐘楼も
亦
(
また
)
荘麗である。予は
屡
(
しば/\
)
此
(
この
)
門前を
徘徊
(
はいくわい
)
して帰るに忍びなかつた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
好奇心
(
かうきしん
)
から
此句
(
このく
)
の
前
(
まへ
)
に
付
(
つ
)
いてゐる
論文
(
ろんぶん
)
を
讀
(
よ
)
んで
見
(
み
)
た。
然
(
しか
)
し
夫
(
それ
)
は
丸
(
まる
)
で
無關係
(
むくわんけい
)
の
樣
(
やう
)
に
思
(
おも
)
はれた。
只
(
たゞ
)
此
(
この
)
二
句
(
く
)
が
雜誌
(
ざつし
)
を
置
(
お
)
いた
後
(
あと
)
でも、しきりに
彼
(
かれ
)
の
頭
(
あたま
)
の
中
(
なか
)
を
徘徊
(
はいくわい
)
した。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
馬鹿々々
(
ばか/\
)
しい。
聞
(
き
)
いて
見
(
み
)
ると、
強盜
(
がうたう
)
が
徘徊
(
はいくわい
)
するといふので、
非常線
(
ひじやうせん
)
を
張
(
は
)
つて
居
(
ゐ
)
たのであつた。
探検実記 地中の秘密:05 深大寺の打石斧
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
春陽の頃はつもりし雪も
昼
(
ひる
)
の内は
軟
(
やはらか
)
なるゆゑ、夜な/\狐の
徘徊
(
はいくわい
)
する所へ
麦
(
むぎ
)
など
舂杵
(
つくきね
)
を雪中へさし入て二ツも三ツもきねだけの
穴
(
あな
)
を作りおけば、夜に入りて此
穴
(
あな
)
も
凍
(
こほ
)
りて岩の穴のやうになるなり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
されば
爰
(
こゝ
)
に
忌
(
い
)
むべく
恐
(
おそ
)
るべきを(おう)に
譬
(
たと
)
へて、
假
(
かり
)
に(
應
(
おう
)
)といへる
一種
(
いつしゆ
)
異樣
(
いやう
)
の
乞食
(
こつじき
)
ありて、
郷
(
がう
)
屋敷田畝
(
やしきたんぼ
)
を
徘徊
(
はいくわい
)
す。
驚破
(
すは
)
「
應
(
おう
)
」
來
(
きた
)
れりと
叫
(
さけ
)
ぶ
時
(
とき
)
は、
幼童
(
えうどう
)
婦女子
(
ふぢよし
)
は
遁隱
(
にげかく
)
れ、
孩兒
(
がいじ
)
も
怖
(
おそ
)
れて
夜泣
(
よなき
)
を
止
(
とゞ
)
む。
蛇くひ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
人はさまよひ
徘徊
(
はいくわい
)
し、羽搏く
接唇
(
くちづけ
)
感じます
ランボオ詩集
(新字旧仮名)
/
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー
(著)
憐れむべし楼上
月
(
つき
)
徘徊
(
はいくわい
)
す
大菩薩峠:34 白雲の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
配分されしかば其金を懷中して所々を
徘徊
(
はいくわい
)
なし
專
(
もつぱ
)
ら賭博に身を入又大酒を呑己が有に任せて女郎
藝者
(
げいしや
)
を
買
(
かひ
)
金銀を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
予は終夜眠らずして、予が書斎を
徘徊
(
はいくわい
)
したり。歓喜か、悲哀か、予はそを明にする能はず。
開化の殺人
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
絶
(
た
)
えず
其邊
(
そのへん
)
の
航路
(
かうろ
)
を
徘徊
(
はいくわい
)
し、
時
(
とき
)
には
遠
(
とほ
)
く
大西洋
(
たいせいやう
)
の
沿岸
(
えんがん
)
までも
船
(
ふね
)
を
乘出
(
のりだ
)
して、
非常
(
ひじやう
)
に
貴重
(
きちやう
)
な
貨物
(
くわぶつ
)
を
搭載
(
とうさい
)
した
船
(
ふね
)
と
見
(
み
)
ると、
忽
(
たちま
)
ち
之
(
これ
)
を
撃沈
(
げきちん
)
して、
惡
(
にく
)
む
可
(
べ
)
き
慾
(
よく
)
を
逞
(
たく
)
ましうして
居
(
を
)
るとの
話
(
はなし
)
。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
利安は後
但馬
(
たじま
)
と云つた
母里
(
もり
)
太兵衞友信、後
周防
(
すはう
)
と云つた井上九郎次郎之房等と、代わる/″\商人の姿に身を
窶
(
やつ
)
して、孝高の押し籠められてゐる
牢屋
(
らうや
)
の近邊を
徘徊
(
はいくわい
)
して主を守護した。
栗山大膳
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
衣を
牽
(
ひ
)
き、床を
遶
(
めぐ
)
りて狂呼す、「バーンス」詩を作りて河上に
徘徊
(
はいくわい
)
す、或は
呻吟
(
しんぎん
)
し、或は低唱す、忽ちにして大声放歌
欷歔
(
ききょ
)
涙下る、西人此種の所作をなづけて、「インスピレーション」といふ
人生
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
聲
(
こゑ
)
を
懸
(
か
)
けて、
戸
(
と
)
を
敲
(
たゝ
)
いて、
開
(
あ
)
けておくれと
言
(
い
)
へば、
何
(
なん
)
の
造作
(
ざうさ
)
はないのだけれども、
止
(
よ
)
せ、と
留
(
と
)
めるのを
肯
(
き
)
かないで、
墓原
(
はかはら
)
を
夜中
(
よなか
)
に
徘徊
(
はいくわい
)
するのは
好心持
(
いゝこゝろもち
)
のものだと、
二
(
ふた
)
ツ
三
(
み
)
ツ
言爭
(
いひあらそ
)
つて
出
(
で
)
た、いまのさき
星あかり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
其邊
(
そのへん
)
に
徘徊
(
はいくわい
)
して
居
(
を
)
つては、
到底
(
とても
)
車外
(
しやぐわい
)
に
出
(
い
)
でゝ
其
(
その
)
仕事
(
しごと
)
にかゝる
事
(
こと
)
が
出來
(
でき
)
ない、そこで、
此
(
この
)
爆裂彈
(
ばくれつだん
)
を
飛
(
と
)
ばして、
該獸等
(
かれら
)
を
斃
(
たを
)
し
且
(
か
)
つ
追拂
(
おひはら
)
ひ、
其間
(
そのあひだ
)
に
首尾
(
しゆび
)
よくやつて
退
(
の
)
けやうといふ
企
(
くわだて
)
だ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
この
多襄丸
(
たじやうまる
)
と
云
(
い
)
ふやつは、
洛中
(
らくちう
)
に
徘徊
(
はいくわい
)
する
盜人
(
ぬすびと
)
の
中
(
なか
)
でも、
女好
(
をんなず
)
きのやつでございます。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
徘徊
(
はいくわい
)
せしがフト心付き原田は播州へ
行
(
ゆき
)
しとの事なり今我
斯樣
(
かやう
)
に浪々の身となり艱難するも
元
(
もと
)
は兵助が事より起れりと自身の惡事には氣も付かず
只管
(
ひたすら
)
兵助を
怨
(
うら
)
みいざや播州へ赴き兵助に
巡逢
(
めぐりあひ
)
此無念
(
このむねん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
たとひデカダンスの詩人だつたとしても、僕は決してかう云ふ町裏を
徘徊
(
はいくわい
)
する気にはならなかつたであらう。けれども明治時代の
諷刺
(
ふうし
)
詩人
(
しじん
)
、
斎藤緑雨
(
さいとうりよくう
)
は十二階に悪趣味そのものを見
出
(
いだ
)
してゐた。
本所両国
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
さう云ふ明暗二通りの心もちの間を、その時次第で
徘徊
(
はいくわい
)
してゐた。
枯野抄
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
徘
漢検1級
部首:⼻
11画
徊
漢検1級
部首:⼻
9画
“徘徊”で始まる語句
徘徊者