“斜子”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ななこ80.0%
なゝこ20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
実業熱がこうじて待合入りを初めてから俄かにめかし出したが、或る時羽織を新調したから見てくれと斜子ななこの紋付を出して見せた。
二葉亭余談 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
殊に私は、羊羹ようかんいろの斜子ななこ紋付もんつきを着ている上に、去年の霜月の末に、勤め先を出奔して以来というもの、一度も理髪屋へ行ったことがない。
酒徒漂泊 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
一トことこゝろまることのあれば跡先あとさき其者そのもの可愛かわゆう、車夫しやふ茂助もすけ一人子ひとりこ與太郎よたらうに、此新年このはる旦那だんなさまめしおろしの斜子なゝこ羽織はをりつかはされしもふかくの理由わけことなり
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
自分の左の指にめた認印のり込んである太い指輪を外して見せたり、帶の間から脱け落ちさうになつてゐた、兩蓋に斜子なゝこを切つた虎屋の最中のやうな大きな金時計を出して見せたりした。
兵隊の宿 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)